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Special Reports
特別レポート

大規模テロ計画摘発で警戒高まる祝祭シーズン

2021年9月17日

インド, テロ

 インド治安当局は、10月から本格化するヒンズー教の祝祭シーズンを前に、首都デリーをはじめ各地でイスラム過激派のテロリスト6人を逮捕し、関係先から手榴弾などの爆発物や銃を押収した。
 一味は隣国パキスタンの情報機関や大物ギャング・テロリストのダウード・イブラヒムが率いる国際犯罪組織の支援を受け、1993年3月にダウードが指揮したムンバイ連続爆弾テロ事件(257人死亡)のような大量殺害を、祝祭シーズン中に複数都市で実行しようとしていたと見られている。
 その他にも、「イスラム国(IS)」やタリバンと連携する複数のイスラム過激組織が活動しているので、年末に向けてテロの潜在的リスクを警戒する必要がある。

社会活動再開で高まるテロのリスク

2021年8月17日

テロ, 欧州諸国

 欧州刑事警察機構(ユーロポール)はテロ情勢の年次報告書で、欧州連合(EU)域内と英国で昨年発生したテロ(未遂、当局による未然阻止を含む)は前年と同じ119件、死者は110%増の21人だったと発表した。コロナ禍で社会活動が停止していたにも拘らずテロ件数は減少しなかったばかりか、死者数は倍増した。
 特にイスラム過激派によるテロ件数は前年比約2倍の15件となるなど、欧州域内では依然としてイスラム過激派のテロが最大の脅威である。
 ユーロポールは、パンデミック後も「テロリストの手口は変わっていない」としており、社会活動が徐々に再開されて人々の動きが活発化していく中、引き続きテロへの警戒が必要である。

ダム貯水をめぐり緊張再燃、軍事行動の可能性

2021年7月13日

エジプト, エチオピア, 国際紛争

 エチオピアがグランド・エチオピア・ルネッサンス・ダム(GERD)の貯水の第2フェーズを開始したことに対して、下流域国であるエジプトとスーダンが猛反発している。
 両国はGERDの建設自体は認めているものの、エチオピア側の一方的な貯水により自国へ流れるナイル川の水量が減少することを懸念しており、国際的枠組みの中で法的拘束力のある合意への署名を求めているが、国際的調停をエチオピアは繰り返し拒否してきた。
 エジプトは軍事行動の選択肢を繰り返し示唆して恫喝しているほか、エチオピアの反政府武装勢力の支援やサイバー攻撃などの破壊工作を画策する可能性も考えられ、緊張が高まっている。

治安回復には程遠いグアナフアト州の現状

2021年6月21日

メキシコ, 犯罪

 グアナフアト州では昨年から、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行する中で、地元犯罪組織の首領が逮捕されたものの抗争の沈静化には繋がらず、却って州南東部を中心に殺人発生件数が大幅に増加した。
 今年に入ってからは殺人が前年同期比で減少しているが、州内の一部地域では逆に抗争が激化している。自動車強盗も減少しているものの、邦人が被害に遭うケースが続発しており、引き続き注意が必要である。

ワクチン接種が進む中で凶悪化するヘイトクライム

2021年4月22日

米国, 犯罪

 カリフォルニア州立大学サンバーナディーノ校の報告書によると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行を背景として昨年に全米の主要18都市で発生したアジア系市民へのヘイトクライム(憎悪犯罪)は、前年比145%増の120件に上った。また、米NPO団体が今年2月までの約1年間に全米各地から報告されたアジア系の被害例3,795件をまとめたところ、被害者の42.2%を中国系、6.9%を日系が占めた。
 今年に入ってもアジア系が死傷する被害が続発し、犯行も凶悪化している。ワクチン接種が進んでも、アジア系への攻撃は続く可能性が高いので、連邦・各州の対策法なども踏まえて引き続き自衛に努める必要がある。

「イスラム国(IS)」の攻撃が断食月に激化のおそれ

2021年4月2日

イラク, シリア, テロ

 「イスラム国(IS)」は、自身のプロパガンダ・メディアを通じて、昨年中に世界各地で2,300回の攻撃を敢行したと主張している。中でもイスラム教のラマダン(断食月)の期間に攻撃件数が突出しており、今年も4月13日頃から始まるラマダン中に攻撃が激化する可能性が高い。
 イラクでは今年1月にISが首都バグダッドで大規模な自爆攻撃を敢行して存在感をアピールしたほか、シリアでも難民キャンプが次世代戦闘員の温床となっているとして懸念が広がっている。

隣国にも脅威が及ぶソマリアの「アル・シャバブ」

2021年3月24日

テロ, 東アフリカ

 アフリカ東部のソマリアでは、イスラム武装勢力「アル・シャバブ(AS)」がテロ攻勢を一層激化させており、昨年12月に予定されていた同国の国会議員選挙は中止に追い込まれた。
 近隣国でもASによるテロのリスクが上昇しており、特にイースター期間のケニアや、6月に選挙を予定するエチオピアなどでは、都市部でのテロに警戒が必要である。

2020年の自爆テロ発生状況と今後危惧される状況

2021年2月24日

テロ, 全世界

 イスラエルのシンクタンク「国家安全保障研究所(INSS)」によると、世界における昨年の自爆テロの発生件数は前年比14.7%減の127件となり、4年連続で減少したほか、死傷者数も半減した。
 発生地はアジア地域が最多を占め、国別ではアフガニスタン、ソマリア、シリアの3か国で全体の約75%に上った。主要な標的は軍・治安機関関連であるが、一般市民を狙った攻撃も依然として多発している。
 自爆テロは近年減少傾向にあるが、パンデミックによる外出制限という特殊環境下で、オンラインの過激思想に感化される者が再び増加している可能性がある。また、インドネシアでは2002年から自爆テロが相次いでいるほか、フィリピン最南部でも2018年から続発しているといった現状などからも、決して内戦国だけのリスクではないことを銘記すべきである。

イスラム急進派団体FPI非合法化の背景と影響

2021年1月21日

インドネシア, 大衆運動

 ジョコ・ウィドド大統領は、インドネシアの世俗主義的な建国理念「パンチャシラ」を護持するため、世俗主義を攻撃するイスラム主義勢力の代表格である「イスラム防衛者戦線(FPI)」を昨年12月末に非合法化した。
 非合法化に当たって、同大統領は様々な布石を周到かつ巧妙に打っているものの、FPI取締りをめぐる最近の動きは極めて急速であり、政権への反発が強まって「イスラム主義」vs「パンチャシラ主義」の対立が一層顕在化し、大衆デモや反政府テロなどの激化に繋がることが危惧される。

米国の政権交代をめぐる今後の中東リスク要因

2020年12月24日

イラン, 国際紛争

 来年1月に就任予定のバイデン次期米大統領は、トランプ政権が離脱したイラン核合意への復帰を公言しており、これにイランのロウハニ大統領ら保守穏健派は期待を示しているものの、ハメネイ最高指導者ら保守強硬派は懐疑的な姿勢を崩していない。
 イランをめぐる今後の中東における緊張要因としては、短期的にはトランプ政権による政権交代直前の「強硬な圧力」の実施、中長期的には来年6月のイラン大統領選挙で反米保守強硬派が当選した場合の対外強硬路線への転換やイスラエルによる「イラン核開発への執拗な妨害行動」などが挙げられる。

極右の国内過激派によるテロ攻撃の脅威

2020年11月26日

米国, テロ

 米FBIは10月上旬、ミシガン州やバージニア州の知事(いずれも民主党)の拉致などを計画した容疑で極右武装組織のメンバーらを逮捕・訴追した。
 米シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」によれば、年初から8月末までに発生した国内過激派によるテロは5件に上り、計5人が死亡した。
 米国土安全保障省は去る10月6日に報告書「国土脅威評価報告」を公表し、国内過激派によるテロの脅威が少なくとも来年初めまで続く、との見通しを示している。

2019年「全米犯罪統計」の注目点

2020年10月15日

米国, 犯罪

 米連邦捜査局(FBI)の2019年版「全米犯罪統計」によると、暴力犯罪の発生件数は前年比0.5%減、財産犯罪は同4.1%減であったものの、罪種別の発生率では、殺人と傷害がそれぞれ0.3%と1.3%増加した。
 傷害の発生率は過去10年で最低だった2014年と比較すると21ポイント高い。また、殺人での銃器使用率は73.7%、強盗では37.1%であった。
 人口50万人以上の34都市のうち、17都市で殺人の発生率が前年から上昇したほか、14都市で全米平均(5.0件)の2倍以上の発生率を記録した。
 今年は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大や「Black Lives Matter(黒人の生命も大切)運動」などで混乱が続く中、都市部で殺人や銃撃事件が増加しているほか、治安の比較的良い郊外でも宅配物盗や住居への押込み強盗など、金品狙いの犯罪が増加している。

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