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島の上空からの眺め

Global Risk Reports
国際情勢レポート

ミャンマー, 国内紛争

カチン州南部の要衝バモーをめぐる攻防

2026年9月11日

 2021年の軍事クーデター以降、ミャンマーでは反軍政勢力による抵抗が拡大し、国軍は各地で劣勢に立たされたものの、中国などの支援を受けて態勢を立て直し、今年3月の民政移管後も主要都市や幹線を中心に優位を維持している。
 北部のカチン州では、少数民族武装組織(EAO)「カチン独立機構(KIO)」との間で、要衝バモーをめぐる攻防が継続している。9月3日には、国軍に補給する武器・弾薬を積んだ輸送船団が攻撃で半減しつつもバモーに到着した。補給を受けた国軍が攻勢を強めることにより、周辺地域では戦闘のさらなる激化が予想される。

欧州, ロシア連邦, 国際対立

欧州で拡大するロシアのハイブリッド戦

2026年9月7日

 米議会調査局(CRS)は8月にロシアが欧州で展開する「ハイブリッド戦」に関する報告書を公表し、ロシアがサイバー攻撃や情報工作に加え、放火、破壊工作、暗殺、GPS妨害、領空侵犯、重要インフラへの妨害など攻撃手法を多様化させ、現地の一般人や犯罪組織を「代理人」として活用していると指摘した。
 NATOおよびEUは重要インフラ防護、制裁、防諜態勢などを強化しているが、交通、物流、通信、エネルギーなど民間分野への影響拡大が懸念される。
 欧州で事業展開する企業はサイバーセキュリティー強化、拠点の警備強化、従業員の安全教育などの包括的な対策が求められる。

フィリピン, 国内対立

初の議会選挙で緊張高まる南部のイスラム地域

2026年9月4日

 ミンダナオ地方南西部のイスラム教徒居住地域「ムスリム・ミンダナオ・バンサモロ自治地域(BARMM)」では、初の議会選挙の投開票を9月14日に控えて緊張が高まっている。8月15日にはBARMMの暫定首相が武装襲撃を受け、死傷者はなかったものの、域内の激しい政治対立が表面化した。
 BARMMは元々選挙絡みの暴力が非常に多い地域であり、開票後には敗北側の勢力が結果を認めず武力に訴えるおそれがあるほか、反政府武装闘争を続けるイスラム過激組織によるテロも懸念される。

エジプト, エチオピア, 国際対立

ナイル川の水資源をめぐる緊張の再燃

2026年9月2日

 エチオピアは今年3月、大エチオピア・ルネサンス・ダム(GERD)に続き、青ナイル川への3つの大型ダム建設構想を示した。
 これによりエジプトとの水資源をめぐる緊張が再燃しており、エジプトが水安全保障上の「自衛権」を強調して放流量や干ばつ時の運用などに関する法的合意を要求したのに対し、エチオピアは水資源開発の主権を主張している。
 両国の対立はソマリアや紅海の安全保障にも波及しており、青ナイル川全体の水資源管理をめぐる争いへ発展する可能性を孕んでいる。

エチオピア, エリトリア, 国際対立

紅海への出口アッサブ港をめぐる不安定化要因

2026年9月1日

 エチオピアは1993年にエリトリアが同国から分離・独立して以降、海への出口を失い、貿易の大部分をジブチに依存してきた。アビー政権は紅海へのアクセス確保を国家的課題に掲げ、エリトリアのアッサブ港への関心を強めている。
 近年では、ティグレ州の情勢が再び不安定化しており、エリトリアがティグレ武装勢力を支援してエチオピア軍を北部に集中させ、アッサブ港方面へ向ける軍事的余力を失わせようとしているとの指摘もある。紅海アクセス問題とティグレ州情勢が連動し、両国の対立構図が深まっている。

コロンビア, テロ

右派大統領就任、左翼ゲリラによるテロが続発

2026年8月24日

 コロンビアでは左翼ゲリラによるテロが増加傾向にあり、特に太平洋沿岸やベネズエラ国境沿いの地域で多発している。中でも民生用ドローン(無人機)から簡易爆弾(IED)や手榴弾を投下する手口が急増し、首都ボゴタでもIED搭載の有線式ドローンが発見された。
 8月7日に就任した右派のアベラルド・デ・ラ・エスプリエジャ新大統領は、左派の前政権が推進した左翼ゲリラとの和平路線から、軍事的手段による強硬路線への転換を宣言したが、それによってテロ情勢が短期間で改善する可能性は低い。

欧州, テロ

イベントシーズンに高まる「ソフトターゲット」狙いのテロの脅威

2026年8月6日

 欧州では夏季に音楽祭やスポーツ大会、観光イベントなど大規模な催しが各地で開催され、多数の人が集まる機会が増加する。
 不特定多数の人が集まり、警備も手薄な「ソフトターゲット」は、テロを企図する者にとっては接近・侵入が比較的容易で被害を最大化させやすく、過去にもそれらに対する重大テロが繰り返されてきた。
 イベント管理者や当局により各種の対策が講じられているものの、個人としてもそれらのイベントにおけるリスクを認識して安全確保に努める必要がある。

ブラジル, 犯罪

サンパウロ州都圏における最近の強盗の主な傾向

2026年7月27日

 サンパウロ州のサンパウロ州都圏では、今年に入って殺人や強盗などの凶悪犯罪が減少し、特に各種の強盗の大幅減が目立っている。
 しかし、それでもサンパウロ市内では南部を中心に強盗が依然として頻発しており、中でも携帯電話や指輪の強窃盗被害、ダイエット薬を狙った薬局に対する強窃盗事件などが多発しているので、巻き込まれないよう注意が必要である。

スウェーデン, 犯罪

ギャング組織が跳梁する中で犯罪者の低年齢化も進行

2026年7月10日

 スウェーデンでは2010年代後半からのギャング組織間の抗争が続いており、昨年はギャング絡みと見られる爆発事件が過去最多を記録した。ギャング組織は中東・北アフリカなど海外にも拠点を持つ国際犯罪ネットワークに発展しており、未成年者の取り込みを図る中で犯罪者の低年齢化も問題となっている。
 先進国として重視される人権や法の支配を維持しつつ、ギャング組織や未成年犯罪への実効的な治安対策との均衡をいかに図るかが喫緊の政策課題となっており、欧州各国に共通する課題としても注目されている。

中国, 法規制

国家安全関連法制と企業対応

2026年7月7日

 中国は近年、国家安全保障を重視する法制度の整備を強力に推進しており、日中関係の冷却化も相まって、邦人企業を取り巻く法的環境は一層複雑化している。
 今年5月には日本の電機大手現地法人の邦人従業員2人が輸出管理関連法令違反の疑いで拘束され、輸出管理への対応の重要性が改めて浮き彫りになった。
 こうした中で7月1日施行の「民族団結進歩促進法」についても、邦人従業員への影響を懸念する声もあるが、実務上は同法を単体で捉えるよりも、輸出管理、反スパイ法、国家秘密保護法、データ関連法令などの国家安全関連法体系の一部として位置づけ、それら全体を踏まえた総合的な対応を行うことが重要である。

米国, テロ, 犯罪

建国250周年記念イベントをめぐるリスクと対策

2026年6月26日

 米国が来る7月4日に建国250周年を迎えるに当たって、大型祝賀行事「フリーダム250(Freedom 250)」が首都ワシントンD.C.をはじめ全米各地で開催される。
 首都のナショナル・モールでは、全国博覧会「グレート・アメリカン・ステート・フェア」が6月25日~7月10日に開催される。同イベントは建国200周年記念以来、50年ぶりにホワイトハウス周辺で長期間かつ大規模に開催される行事であり、トランプ政権に対する国内外からの反発などを背景に、抗議デモやテロなどの発生が懸念される。

シリア, 国内対立, テロ

北東部再統合の進展と懸念されるISの活性化

2026年6月24日

 シリアでは2024年のアサド政権崩壊後、暫定政府の下で国家再建が進められている。今年に入り、暫定政府軍はクルド人主体の「シリア民主軍(SDF)」が長らく支配してきた北東部を統合するなど、重要な動きを見せた。
 一方、「イスラム国(IS)」関係者の収容施設から多数の被収容者が所在不明となり、管理体制の脆弱さも露呈した。
 国内の少数派や旧政権派との衝突リスクが残るほか、周辺国・関係国の利害も絡み、シリアが統一国家として安定するにはなお多くの課題がある。

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