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Special Reports
特別レポート

指導者殺害が各アルカイダ系組織に及ぼす影響

2022年8月15日

世界共通, テロ

 米国は8月1日、国際テロ組織アルカイダの最高指導者ザワヒリをアフガニスタンの首都カブールで殺害したと発表した。
 現在、アルカイダ指導部の影響力は限定的ながら、アジア、アフリカなど世界各地でアルカイダ系組織が依然として活動しており、アルカイダ創設メンバーで長年同組織の思想的指導者の地位にあったザワヒリの死は、米国とその同盟国に対する報復テロを喚起するおそれがある。

サンパウロで急増する強窃盗被害

2022年7月22日

ブラジル, 犯罪

 最大都市サンパウロでは強窃盗被害が急増傾向にあり、中でも窃盗は今年1月~5月の発生件数がパンデミック前の水準に戻っているほか、性犯罪や傷害の件数も深刻なレベルで推移している。
 自動車の強窃盗被害は市の東部や南部で特に多発しており、配車アプリの普及による交換部品の需要増などを背景に、大衆車の被害が多い。
 市内や近郊地域では、拳銃強盗に被害者が撃たれるケースが跡を絶たないほか、邦人企業の事務所や駐在員宅が多いパウリスタ大通り界隈でも、今年に入ってスマートフォンの強窃盗被害が激増している。

治安悪化が懸念されるマルコスJr.次期政権

2022年6月13日

フィリピン, 犯罪, テロ

 6月30日に就任するマルコスJr.次期大統領は、選挙では圧勝したものの国を牽引するリーダーとしての資質は不明であり、とりわけ麻薬・犯罪対策や反政府武装組織対策でドゥテルテ大統領ほどの手腕は期待できない。
 新政権で彼が十分な指導力を発揮できなければ、国軍・警察の統率が乱れて組織の深刻な堕落を招き、麻薬禍を背景とする凶悪犯罪の増加やテロ・ゲリラ情勢の悪化にも繋がりかねない。

中間選挙に向けてヘイトクライム一層増加のおそれ

2022年5月26日

米国, 犯罪

 テキサス州ダラスのコリアタウンで5月11日に美容院が襲撃され、韓国系女性3人が撃たれて負傷した事件について、同市警察はヘイトクライム(憎悪犯罪)との見方を強めて捜査している。
 米NPO団体によると、2020年3月19日から昨年末までに全米各地から報告されたアジア系のヘイトクライム被害例1万905件は、被害者の42.8%を中国系、8.2%を日系が占めた。
 今年も主要都市を中心にヘイトクライムの増加傾向が続いており、11月の中間選挙に向けた社会的分断を背景に、さらなる増加が危惧される。

8月の国政選挙に向けて高まる暴力リスク

2022年4月21日

ケニア, 政情, テロ

 ケニアでは、8月9日に予定される大統領選挙や議会選挙に向けて選挙活動が本格化しつつあり、従来と同様に支持者間や支持者と治安部隊との暴力的衝突が続発する可能性がある。
 また、イスラム武装勢力にとって選挙は自身の存在を誇示するとともに情勢を不安定化させる絶好の機会であり、首都ナイロビをはじめ都市部で商業施設や選挙関連施設、政治集会などを狙ったテロを画策するおそれがある。

ウクライナ戦争をめぐる各国の動向と影響

2022年3月29日

中東, 北アフリカ, 国際紛争

 ロシアのウクライナ侵攻が始まって以来、中東、北アフリカ諸国は西側諸国およびロシアとの外交関係に腐心しており、石油の増産要請を拒否したり、逆に資源の輸出の拡大を模索するほか、食料危機対策に奔走するなど、様々な対応を見せている。
 ウクライナ戦争に伴うエネルギー・食料価格の高騰により、いくつかの国は既に深刻な食料危機に直面しており、抗議デモや暴動のリスクが高まっている。

2021年の⾃爆テロ発⽣状況と注目点

2022年2月28日

テロ, 全世界

 イスラエルの「国家安全保障研究所(INSS)」によると、世界における昨年の自爆テロは前年比41.7%減の74件と急減したが、アフガニスタンでの大規模自爆テロの影響で死者数は5.2%増の805人となった。
 自爆テロが最も多発したのはアフリカで、アジアは半減し、中東は90.9%減少した。「イスラム国(IS)」もしくはアルカイダが関与した自爆テロは、件数自体は大幅に減少しているものの、全体の93.2%を占めた。
 英NGOによると、軍事施設などに加え、一般人を狙った攻撃も多発しており、昨年は1,442人の一般人が死傷し、前年比で6.8%増加した。
 自爆テロは一時期よりは減少しているものの、IS指導者の殺害や防疫規制緩和などの影響で再び増加する可能性が危惧されている。

アフリカで活発化する「イスラム国(IS)」最新動向

2022年1月7日

世界共通, テロ

 「イスラム国(IS)」は2019年にシリア、イラクで支配地域を奪還されたが、米軍をはじめとした諸外国の軍事支援による掃討作戦にも拘らず、根絶には程遠い現状にある。
 2021年中、ISは局地的には衰えを見せたが、アフガニスタンやアフリカなど、むしろ活動が活発化している地域もある。インターネットを通じたプロパガンダ活動も継続されており、欧州や米州では大規模な事件は起きていないものの、過激思想に感化された個人によるテロ攻撃や、テロ計画の摘発事例が相次いでいる。

西アジア・サハラ砂漠以南を中心にテロが2年連続増加

2021年12月24日

世界共通, テロ

 米国務省の年次報告書によれば、昨年世界で発生したテロの件数は前年比で14.7%増加し、それに伴う死者数も11.9%増加した。
 テロ事件は計98か国で発生し、全体の約87%が前年と同様、西アジア、南アジア、サハラ砂漠以南の3地域に集中しており、特にコンゴ民主共和国で件数・死者数の増加が目立った。
 欧米では、白人至上主義や移民排斥などの過激思想に感化されたローンウルフ(一匹狼のテロリスト)の脅威が上昇している。

民主派による反政府運動の見通しと留意点

2021年12月22日

タイ, 大衆運動

 民主派の若者らによる昨年来の反政府運動は、規模的には縮小したものの、首相退陣要求などに加え、王室改革など過激な主張が目立つようになった。
 長らく議論することさえ控えられてきた王室をめぐる諸問題は、タクシン元首相派の最大野党でさえも「不敬罪撤廃」を主張しながら直後に撤回するなど極めてデリケートな要素を孕んでおり、容易には決着しない。
 バンコク商業地区のディンデーン交差点では、デモ隊が警官隊との衝突を意図的に頻発させており、死傷者が発生することもある。

南侵する武装勢力との徹底対決を選択した連邦政府

2021年11月10日

エチオピア, 国内紛争

 エチオピア北西部のティグレ州では、昨年11月に反政府武装勢力「ティグレ人民解放戦線(TPLF)」と連邦政府との間で内戦が勃発し、同月末に一旦は連邦政府が勝利した。
 しかし、TPLFはその後も州内でゲリラ戦を展開して今年7月にはティグレ州の支配権を奪還し、さらには南に隣接するアムハラ州へ侵攻して、10月末に同州南東部の要衝を占領したと発表した。
 TPLFの目的は、あくまで連邦政府内での影響力確保やティグレ州政府の承認などであり、それらが達成できる公算が高まれば、侵撃を停止して国際社会が呼びかけている和平交渉に応じる可能性がある。
 対する連邦政府は全土に非常事態宣言を発令し、退役軍人を招集して徹底対決の構えを見せている。TPLFがさらに南侵しても、国軍の主力が温存されている首都アディスアベバまでは容易に到達し得ないものの、双方が妥協点を見出せないまま内戦状態が長引く可能性が高まっている。

殺人件数の増加率が1960年以降最大を記録

2021年10月12日

米国, 犯罪

 米連邦捜査局(FBI)の2020年版「全米犯罪統計」によると、暴力犯罪の発生件数は前年比5.6%増、財産犯罪は同7.8%減であった一方、罪種別では殺人が29.4%、傷害が12.1%、車両盗が11.8%それぞれ増加し、中でも殺人は1960年以降最大の増加率を記録した。また、殺人での銃器使用率は76.7%、強盗では37.3%であった。
 人口50万人以上の33都市のうち、28都市で殺人の発生率(人口10万人当たり年間発生件数)が前年から上昇したほか、14都市で全米平均(6.5件)の2倍以上の発生率を記録した。
 今年も殺人の増加傾向が続き、さらなる治安悪化が懸念されている。

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