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Special Reports
特別レポート

パリ五輪をめぐる治安情勢と安全上の留意事項

2024年6月6日

フランス, テロ, 犯罪, 大衆運動

 パリ五輪開幕まであと50日となった。206か国から1万500人が参加予定の今大会は、五輪史上初めて開会式が競技場外でセーヌ川を舞台に開催される。
 フランスでは2015年のパリ同時多発テロ以降もイスラム過激派によるテロの脅威が続いており、昨年10月以降のパレスチナ情勢悪化を背景に五輪狙いのテロへの警戒が強まっている。また、観覧客などを狙った街頭犯罪の多発が予想されるほか、ロシアによるサイバー攻撃などの妨害行為も懸念されている。
 治安当局が厳戒態勢を敷いているものの、現地においては一定の警戒心を維持し、各種の自衛策を励行する必要がある。

今後の治安対策を左右する連邦・地方選挙

2024年5月28日

メキシコ, 犯罪

 メキシコでは昨年、殺人発生件数が前年比で微減したものの、殺人発生率(人口10万人当たりの年間発生件数)は19.3件と引き続き高い水準にある。邦人企業の主な進出地域も、一部では殺人発生率が全国平均を大幅に上回った。
 麻薬組織による治安当局への攻撃が続く中で、6月2日には大統領選挙・議会選挙および地方選挙の投開票が行われるが、その結果次第では国家や各自治体の治安対策が変化して「麻薬戦争」の激化に繋がる可能性も否定できない。投票日を前に、麻薬組織による地方政治家等への脅迫・襲撃事件も各地で相次いでいる。

新指導体制で活発化する「イスラム国(IS)」の最新動向

2024年4月1日

世界共通, テロ

 「イスラム国(IS)」が昨年1年間に犯行を主張したテロ攻撃の件数は、前年比で半数以下に減少したものの、昨年8月の新指導者就任を機に世界各地の支部が改めてISへの忠誠を誓い、今年に入って重大テロを続発させている。
 特に欧米諸国では、IS関連のテロ計画や資金調達などの容疑による摘発事例が相次いでいる。コロナ禍の収束に伴って人の移動が容易になる中で、ISのテロ活動もさらに拡大・激化していくおそれがある。

ガザ危機で一層激化するフーシ派の船舶攻撃

2024年3月1日

中東, 地域紛争

 イエメン北部を実効支配中のシーア派武装勢力「フーシ派」による紅海などでの船舶攻撃の激化を受け、米英主導の軍事作戦が1月に開始された。しかし、イエメンの軍事施設への攻撃は効果が限定的であり、フーシ派による船舶攻撃は現在も続いている。フーシ派は、イスラエル軍がガザへの攻撃を停止しない限り、紅海での攻撃を停止しないと宣言している。
 ガザをめぐってはラマダン(断食月)を前に停戦交渉が行われているが、双方の溝は大きい。ネタニヤフ首相はガザ南部ラファへの大規模攻撃を計画しており、実行されればフーシ派による攻撃も一層激化する可能性が高い。

2023年のテロ発生状況と今後注意すべき動向

2024年2月20日

世界共通, テロ

 米国務省テロ対策局の支援機関の集計によると、2023年の全世界におけるテロの件数と死者数は3年連続で減少したが、負傷者数は増加に転じた。
 テロが中東、アフリカ、南西アジアに最も集中している状況に変わりはなく、中でもガザ紛争の影響でイスラエルおよびパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区でテロの件数・死傷者数が激増した。
 テロの使用武器は銃器が最も多いが、「ハマス」や「ヒズボラ」によるイスラエル領内への砲撃の激化に伴い、ミサイルとロケット弾を用いたテロも急増した。一方で簡易爆弾(IED)によるテロは減少した。
 ガザ紛争が長引く中、イスラム教徒やユダヤ教徒への憎悪感情が高まっており、テロのリスクが高まる時期・記念日には特に警戒を高める必要がある。

大統領選挙をめぐって再び懸念される暴力事態

2024年1月23日

インドネシア, 国内対立

 来る2月14日投開票のインドネシア正副大統領選挙(第1回投票)では、3組の候補による終盤戦が繰り広げられている。そのトップを走るプラボウォ国防相とギブラン・スラカルタ市長(現大統領の長男)のペアは世論調査で過半数に迫る支持率を得ており、決選投票を待たず勝利する可能性も出てきているが、その場合は不正選挙を疑う対抗馬の陣営による抗議行動がジャカルタなどで巻き起こり、騒乱に発展する可能性が懸念される。
 選挙戦が過熱する中、プラボウォ陣営や警察、米欧権益などを標的としたイスラム過激派のテロにも警戒する必要がある。

クーデターのリスクを警戒すべき国々とその蓋然性

2023年12月6日

アフリカ地域, 政変

 アフリカ・サヘル地域の国々では、今年7月以降だけで軍事クーデターが未遂や計画段階の摘発事案も含め、6件相次いだ。それらの国には政情不安、国内対立激化、困窮者急増などの状況があり、選挙、治安機関の人事(幹部の解雇・左遷・降格)などが引き金になっている。
 12月から来年にかけてもアフリカ各国で選挙が予定されている。現地拠点を持つ企業は緊急事態を想定した対応要領を策定・整備し、出張者を派遣する際も現地の最新情勢を踏まえた上で、選挙日程前後のリスクが高い時期を外すなどして慎重に判断することが重要である。

クリスマス・年末年始時期のテロ・一般犯罪対策(2023)

2023年12月1日

世界共通, テロ, 犯罪, 大衆運動

 クリスマスシーズンから年末年始にかけての期間は、世界各地で様々なイベントが催される半面、イスラム過激派が欧米社会やキリスト教徒への敵意を強めるのが常である。特に今年はパレスチナ情勢悪化を背景に、欧州などでテロ関連事案が相次いでおり、例年以上に警戒を要する。
 この時期は高揚した雰囲気もあって防犯意識が緩みがちで、犯罪者も活発に活動する。経済の減速や長引くインフレなどで生活困窮者が増えていることもあり、一般犯罪の増加も懸念される。
 また、パレスチナ情勢に関連したヘイトクライムにも要注意である。

サンパウロで危惧される犯罪傾向と具体事例

2023年11月24日

ブラジル, 犯罪

 最大都市サンパウロとその周辺の大サンパウロ圏では、今年1月~9月の殺人や強盗の発生件数が前年同期比で減少傾向にあるが、市中心部セントロ地域では強盗件数が過去22年間で最多となるなど、一部の地域では治安が急激に悪化している。
 州都圏では、拉致した被害者に即時決済システム「PIX」で送金させたり、デートアプリでターゲットを誘き出す手口の短期拘束型誘拐・拉致強盗が以前から多発しているほか、警備体制が比較的厳重な高級アパート等への押込み強盗も続発しており、注意を要する。

ヒンズー教の祝祭シーズンに向けての潜在的脅威

2023年10月13日

インド, テロ

 インドは11月12日にヒンズー教の新年を控え、間もなく祝祭シーズンに突入するが、その関連イベントや買物客の人出などを狙ったテロを警戒する必要がある。
 同国では2014年以降、イスラム過激派の重大テロは再発していないものの、昨年頃からイスラム過激派関連の事件や摘発が急増しており、10月初めには首都デリーなどで「イスラム国(IS)」メンバーが逮捕され、爆弾テロ計画が阻止された。来年4、5月頃の総選挙や、現下のイスラエル・パレスチナ情勢悪化などにも鑑み、インドでイスラム過激派によるテロが再び激化する可能性も懸念される。

ハマスによる大規模攻撃と今後の情勢悪化要因

2023年10月8日

イスラエル, テロ, 大衆運動, 地域紛争

 10月7日に開始されたイスラム主義組織「ハマス」の大規模攻撃に対し、イスラエル軍は直ちに反撃と報復攻撃を展開しており、双方の死者数は既に300人を超えた。
 今回のハマスによる攻撃が近年稀に見る規模であることや、多数のイスラエル人が拉致された状況を鑑みると、今後、イスラエル軍のガザ地区侵攻など、大規模な地上戦に発展する可能性がある。
 隣国レバノンのシーア派イスラム主義組織「ヒズボラ」等も今回の事態を「好機」と見てイスラエルを攻撃する可能性があるほか、イスラエル国内でテロや暴力的大衆運動も激化しかねない。

治安悪化の中で凶悪な手口の身代金誘拐が続発

2023年9月21日

エクアドル, 犯罪

 エクアドルでは近年、犯罪組織間の抗争激化に伴って治安が大幅に悪化している。今年の大統領選挙でも治安対策が最大の争点となっており、8月9日には候補者の1人が暗殺される衝撃的な事件も発生した。
 そうした中、犯罪組織の新たな資金源としての身代金誘拐が激増しており、短期間で身代金を支払わせるために誘拐犯が人質の指を切断するケースが続発しているほか、犯人グループが警察官を装う手口も見られ、従来どおりの防犯対策では不十分になりつつある。

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