top of page
島の上空からの眺め

Global Risk Reports
国際情勢レポート

アルメニア, 大衆運動

ナゴルノカラバフ喪失後も続く内憂外患

2024年7月8日

 アルメニアのパシニャン政権は、昨年9月に隣国アゼルバイジャンとの紛争でナゴルノカラバフを失って以降、安全保障上の後ろ盾だったロシアへの不信感を強めて距離を置き、欧米への傾斜を強めている。
 また、アゼルバイジャンとの和平条約締結による紛争終結を目指しているが、国境画定作業をめぐる譲歩は国民の反発を買い、4月以降に大規模な反政府デモが巻き起こった。様々な課題を抱える同国は、対外問題のみならず内政面でも当分は不安定な状況のまま推移する可能性が高い。

パキスタン, テロ

都市部で懸念される外国権益への攻撃再発

2024年6月27日

 4月16日に最大都市カラチで発生した銃撃・自爆テロ(武装警備員1人死亡、邦人1人含む3人負傷)では、邦人企業関係者が直接自爆テロ攻撃を受けたものの、中国人と勘違いされて攻撃された可能性が指摘されている。
 イスラム武装勢力は主に治安部隊狙いのテロを頻発させているほか、民族主義過激派が中国権益狙いのテロを続発させており、近年ではテロ活動の場を地方から都市部へ移している。

ブラジル, 犯罪

依然として深刻なサンパウロ州都圏の治安

2024年6月26日

 サンパウロ市では昨年、故意殺人、強盗殺人、強盗などが前年比で大幅に減少したものの、強制性交等や車両を除く窃盗は2001年以降で最多を記録した。
 市中心部や南部の各区を中心に携帯電話の強窃盗被害が頻発しており、東洋人街のあるリベルダージ区や邦人居住地域のジャルジン・パウリスタ区も例外ではない。また、昨年に同市で強窃盗件数が最も多かった道路は邦人企業事務所が集中するパウリスタ大通りであった。
 州都圏では「PIX送金」目的の拉致強盗・短期拘束型誘拐が多発しており、デートアプリでターゲットを誘き出す手口も依然として跡を絶たない。

インド, テロ

3期目のモディ政権を脅かすイスラム過激派

2024年6月17日

 モディ首相率いる与党連合は4月~6月の総選挙で下院議席を大きく減らしながらも過半数を確保したが、同首相が3期目の就任宣誓に臨んだ6月9日夜には、北部ジャム・カシミール(JK)連邦直轄領でヒンズー教徒の巡礼バスが襲撃されて9人が死亡し、政権は最初からいきなり面目を潰される恰好となった。
 5月にはモディ首相のお膝元であるグジャラート州への「イスラム国(IS)」系組織によるテロ計画も発覚しており、11年目に突入したモディ政権は改めて困難な国内治安問題に直面している。

リビア, 国内紛争

各勢力の利害関係を背景とした選挙の遅延とその影響

2024年6月11日

 リビアは対立する2つの政府が東と西に存在する「1国2政府」状態にあり、2020年10月以降は停戦状態にあるものの、西にある首都トリポリでは民兵同士による武力衝突のリスクがあるほか、東部でも強力な民兵組織「リビア国民軍(LNA)」率いるハフタル将軍の勢力が影響力を強めている。また、南部ではイスラム過激派が密輸などで資金を獲得し、近隣国の治安を脅かしている。
 トルコとロシアの合意に基づく現在の一時的な和平はむしろ民主的選挙の実施を遅らせ、国家の分裂状態を一層固定化させるおそれがある。

ジョージア, 国内対立

「反スパイ法案」をめぐって強まる政府への反発

2024年5月29日

 与党「ジョージアの夢」は、野党や民衆の反対で昨年に一旦撤回した「反スパイ法案」を再び議会に提出して可決させるなど、強権的体質を強めつつある。
 その裏には、長引くウクライナ戦争による国内の反ロシア感情や親欧米路線を抑圧し、来る10月の議会選挙までに有利な状況を作ろうとの意図が窺える。
 悲願の欧州連合(EU)加盟が遠のき、ロシアの影響力がさらに強まりかねないとの懸念が膨らむ中、選挙戦の本格化に伴う抗議行動の激化や政情の不安定化が危ぶまれる。

米国, 犯罪

多発するロードレイジとその予防策

2024年5月27日

 米国では近年、運転者が交通事故や相手の運転マナーなどに怒りを爆発させてあおり運転などの危険行為に出る「ロードレイジ」事案が増加傾向にある。
 ドライバーの約10%が銃器を携行していることもあって、発砲などの暴力沙汰に発展するケースも急増しており、昨年までの10年間で777人が犠牲となった。
 運転時は譲り合いの精神を保ち、万一割り込みなどをされてもやり返すことはもちろん、クラクションを鳴らすなどして相手を不必要に刺激することも禁物である。

世界共通, 自然災害

猛暑が押し上げる治安面のリスク

2024年5月20日

 気候変動とそれに伴う猛暑は、風水害や森林火災などの自然災害や各種感染症の蔓延に繋がるだけでなく、社会や経済に強いストレスをもたらして暴力犯罪、暴動、紛争など各種の治安リスクをも押し上げることが知られている。
 今年4月には東南アジアや南西アジアの各国が危険なレベルの熱波に見舞われ、その要因として地球温暖化と強力なエルニーニョ現象の相乗効果が指摘された。こうした状況は年々悪化する可能性が高く、企業や個人は治安リスクの上昇にも備える必要がある。

イラク, テロ, 国内対立

クルド人自治区における議会選挙の遅延と治安リスク

2024年5月1日

 イラク北部のクルド人自治区では昨年10月以降、ガザ情勢をめぐりシーア派民兵組織によるエルビル国際空港などへのドローン攻撃が激化したほか、「イスラム国(IS)」関係者の摘発も相次いでいる。
 6月に予定されるクルド人自治区の議会選挙を前に、新たな選挙制度をめぐって主要政党間の対立が激化しており、最大与党「クルド民主党(KDP)」が選挙のボイコットを表明する中で日程の遅延や政治的混乱が懸念されている。

モザンビーク, テロ

最北部でイスラム過激派の攻勢が再び激化

2024年4月24日

 最北部のカーボデルガード州では、2017年10月頃から「イスラム国(IS)」系過激組織「アル・スンナ・ワ・ジャマア(ASWJ)」による武装襲撃が頻発して治安が深刻に悪化したものの、2021年にルワンダ軍と「南部アフリカ開発共同体(SADC)」の加盟国で構成される「モザンビークSADCミッション(SAMIM)」が同州で掃討作戦に加わると、武装襲撃は大幅に減少した。
 しかし、今年2月頃からにわかにASWJが勢いを盛り返して再び武装襲撃を多発させるようになった。SAMIMは7月末までの完全撤退が決まっており、同州のLNGプロジェクトサイト周辺も再び治安を脅かされるおそれがある。

米国, 犯罪

NY市地下鉄の治安悪化を受けた当局の対応と課題

2024年4月16日

 ニューヨーク市地下鉄で今年に入り耳目を集める凶悪事件が続発したことを受け、ニューヨーク市警察は市や州の支援を受けて強力な治安対策を推進した。
 その結果、1月~3月の犯罪発生件数は前年同期比で減少したものの、依然として凶悪事件が続発している。
 米国での公共交通機関利用に際しては、強盗・窃盗をはじめとする一般的な防犯対策に加え、トラブルに巻き込まれないための注意も必要である。

モルドバ, 地域紛争

「沿ドニエストル共和国」をめぐるロシアとの対立

2024年4月15日

 ロシアはモルドバに対して、親ロ派住民が多数派を占めるモルドバ内の自治国家「沿ドニエストル共和国(PMR)」を通じて影響力を行使してきた。
 一方、モルドバはウクライナ戦争によるロシアの支配力低下を好機として、EU加盟方針を決定し、PMRに経済圧力を掛けて将来的な併合を狙う動きを見せており、これに対してPMRは公式にロシアに支援を求め、対立が激化している。
 ロシアには現在、モルドバに本格的な軍事介入を行う余力はないものの、政治工作や破壊工作、PMRをめぐる情報戦や扇動などを強めることが予想される。

bottom of page