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島の上空からの眺め

Global Risk Reports
国際情勢レポート

西アフリカ, マリ, ニジェール, ブルキナファソ, テロ

サヘル地域で活発化するイスラム武装勢力

2025年4月21日

 2024年は世界全体のテロ関連事件と死者が前年比で減少したものの、アフリカのサヘル地域でのテロ関連死が世界の過半数を占めるなど状況が悪化している。
 特にマリ、ブルキナファソ、ニジェールの3か国では、西側諸国の軍事的プレゼンスが後退する中で、アルカイダ系や「イスラム国(IS)」系の武装勢力が活発に活動しており、外国人誘拐の増加や周辺国への拡大も懸念されている。
 この3か国が今年1月に西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)から離脱したことも、地域の経済統合と治安協力に悪影響をもたらす可能性がある。

ベルギー, 犯罪,

ブリュッセルで多発する麻薬組織絡みの銃撃事件

2025年3月24日

 ブリュッセルでは麻薬組織絡みの銃撃事件が増加しており、昨年には過去最多の92件(前年比48.4%増)を記録して9人が死亡、48人が負傷した。
 今年に入ってからもブリュッセル・ミディ(南)駅に隣接するアンデルレヒト区などで10件以上の銃撃事件が続発し、2人が死亡、6人が負傷し、2月5日には多くの人が行き交う地下鉄駅前で自動小銃が発砲された。
 銃撃事件の増加を受け、当局は危険性が高い地域を「ホットスポット」に指定するなどして対策を強化しているが、抜本的解決には至っておらず、カフェなどでの一般市民の巻き添え被害も跡を絶たない。

ミャンマー, 国内紛争,

中部地域で二正面作戦を強いられる国軍

2025年3月21日

 最大都市ヤンゴンと首都ネピドーの間にある中部のバゴー管区域では、軍事政権と戦う市民レジスタンス組織「国民防衛隊(PDF)」が攻勢を強め、同管区域のほぼ全域で国軍を脅かすまでに活動範囲を広げた。
 同管区域の東部ではカレン族系武装組織とPDFの合同部隊が編成され、西部でもラカイン族系武装組織と連携して国軍拠点を次々に制圧している。
 このまま反軍政勢力の攻勢が続けば、ヤンゴン市北東郊のバゴー市や、ヤンゴン管区域の北部に攻撃が及ぶ可能性が出てくる。

トルコ, 国内紛争,

「クルド労働者党(PKK)」解散宣言の背景と不確定要素

2025年3月14日

 クルド人武装組織「クルド労働者党(PKK)」は3月初頭、収監中のオジャラン指導者の呼びかけを受けてトルコ政府との停戦を宣言した。同国のエルドアン政権は和平に前向きな姿勢を示しつつもPKKへの軍事的圧力を緩めず、慎重な姿勢を維持している。
 国際社会も幅広く歓迎の意を表明しているが、PKK側がオジャラン指導者の処遇改善やクルド人への政治的権利保障といった条件を提示したのに対し、政権側は交渉を拒否するなど、武装解除や政治的権利をめぐる双方の溝は大きい。

アルゼンチン, 犯罪,

ブエノスアイレス首都圏で相次ぐ強盗殺傷事件

2025年3月10日

 首都ブエノスアイレスでは昨年、強盗の件数が前年比で約8%増加し、首都周辺のブエノスアイレス州においては約20%増の大幅増を示した。
 首都圏における車両強窃盗も前年に続いて大きく増加しており、今年に入ってからも貧困層が多い首都周辺の郡部で強盗殺傷事件が多発する中で、非番の警察官が強盗に襲われて発砲事件に発展するケースも相次いでいる。
 さらに、首都では住居押込み強盗も続発し、住民を恐怖に陥れている。

タイ, テロ,

最南部のテロ情勢が再び悪化

2025年2月26日

 イスラム過激派による武装闘争が続くタイ最南部では、昨年発生したテロ事件が前年比31.4%増の632件に上った。近年、改善傾向を示していた同地域のテロ情勢は、2016年~2017年頃の水準まで悪化している。
 2023年に成立したタクシン元首相派政党を中心とする現政権は、最南部地域における非常事態宣言の約20年ぶりの解除を目指していたが、特に治安要員狙いの爆弾テロが多発する中で、和平はむしろ遠のいている状況にある。

インド, 犯罪,

犯罪減少に転じても懸念が多い首都デリーの治安

2025年2月19日

 首都デリーの警察によると、同市では近年続いていた犯罪の増加傾向にようやく歯止めがかかり、各種の凶悪犯罪やひったくりなどが減少に転じた。
 しかし、デリー警察の発表が同市議会の選挙戦の最中に相次いだこともあって政治的意図が見え隠れし、犯罪減少についても疑義が呈されている。
 罪種別に見ると殺人や車両盗は微減にとどまっているほか、強盗や銃犯罪の発生状況も依然として深刻であり、治安改善を実感できている市民は少ない。

チリ, 犯罪,

サンティアゴ首都圏で増え続けるカージャック被害

2025年2月18日

 チリでは近年、首都サンティアゴを中心にカージャックをはじめとする武装強盗が多発するなど治安が悪化している。昨年も同市の強盗発生件数が前年比0.3%増と高止まりしており、2005年以降では全国的に反政府暴動が発生した2019年に次いで2番目に多かった。
 首都圏では依然として「ポルトナソ」や「エンセロナ」などと呼ばれるカージャックが多発しており、市民による自衛意識の高まりを背景に防弾車加工の受注台数が急増している。

コンゴ民主共和国, 国内対立, 国際紛争,

東部の戦闘激化による紛争リスク

2025年2月10日

 コンゴ民主共和国の東部で、隣国ルワンダの軍事支援を受けているとされる反政府武装勢力「3月23日運動(M23)」が攻勢を強め、1月26日には北キブ州の州都ゴマの一部を制圧するなど、勢力圏を急拡大させている。
 一連の攻勢は「カビラ前大統領による政治工作の一環」との見方もあり、状況次第では周辺国が軍事的関与を強めて情勢をさらに不安定化させるおそれがある。
 東部の戦火は首都キンシャサの治安にも影響しており、1月28日には市内のルワンダ大使館や欧米諸国などの外国公館が暴徒に襲撃された。M23を巡る停戦・和平交渉が進まない中で暴動の再発も危惧される。

イラク, テロ, 犯罪,

イラク:治安改善の兆しと、なおも残る地域別のリスク

2025年1月21日

 イラクの治安情勢は年々改善しており、2017年以降は、大規模なテロ攻撃や暴力事件による死者数が大幅に減少している。同国の治安部隊が国際的支援を受けて対テロ作戦を強化したことや、「イスラム国(IS)」の弱体化が主な要因である。
 しかし、依然として銃器使用犯罪や部族抗争が首都バグダッドや南部のバスラなどで深刻な治安上のリスクになっているほか、北部のクルド人自治区には周辺地域の不安定な情勢やトルコ軍の軍事作戦などが波及しかねない。

フィリピン, 国内対立

中間選挙期間中に懸念される暴力と混乱

2025年1月17日

 フィリピンでは、マルコスJr.大統領とサラ・ドゥテルテ副大統領やその実父であるロドリゴ・ドゥテルテ前大統領との確執が強まっており、政治的に不安定な状態で5月12日投開票の中間選挙に向けた選挙戦が繰り広げられる。
 同国の選挙は利権を争う各地方の有力者による暴力事件が多発し、反政府武装勢力が活動する地域を中心に治安が悪化する。マニラ首都圏においても道路検問が強化されるので、適切に対応するための予備知識が重要である。

ミャンマー, 国内紛争

軍事政権と反軍政勢力による情報戦と戦況の実態

2025年1月14日

 ミャンマーで2021年2月のクーデターを機に始まった軍事政権と反軍政勢力による内戦は間もなく5年目に突入するが、民主派の並行政府「国民統一政府(NUG)」が年初に行った発表によると、軍事政権が現時点で掌握している地域は全国330郡区の約32%にまで減少した。
 軍事政権側も、昨年10月に実施した国政調査でデータを完全に収集できた郡区は全体の半数以下であったことを認めている。軍事政権は総選挙の年内実施を目指しているものの、形骸的な選挙の強行は反軍政勢力による攻撃の標的となるほか、国民のさらなる離反を招き、同国の混乱を一層助長しかねない。

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