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島の上空からの眺め

Global Risk Reports
国際情勢レポート

コンゴ民主共和国, 国内対立, 国際紛争

和平交渉の裏で拡大する治安リスク

2025年8月25日

 コンゴ民主共和国政府と東部の反政府武装勢力「3月23日運動(M23)」との和平交渉は、米国やカタールの仲介もあって一定の進展を見たものの、支配地域からの撤退や捕虜の扱いなどをめぐる対立が残り、最終合意には至っていない。
 東部では他にも複数の武装勢力が活動し、治安を深刻に悪化させている。
 そうした不安定な状況は首都キンシャサにも影響を及ぼしており、今年1月に発生した暴動や、それに伴う外国人の国外退避といった事態の再発も懸念される。

湾岸諸国, 地域紛争

湾岸諸国の米軍基地が抱える安全保障上のジレンマ

2025年8月4日

 6月23日のイランによるカタールの米軍駐留基地に対する弾道ミサイル攻撃は、湾岸諸国における米軍基地の抱えるリスクと地域防衛の課題を浮き彫りにした。多くの湾岸諸国はパトリオットやTHAADなどの多層防空システムを整備しつつあるが、広域防衛や飽和攻撃への対応には限界もある。湾岸協力会議(GCC)による統合防衛構想も利害の不一致などにより進展が遅れており、米国依存からの脱却、多角的な安全保障戦略の進展など、議論が活発化する可能性がある。

コロンビア, テロ

次期大統領選挙に向けて情勢悪化のおそれ

2025年7月29日

 コロンビアで左派のグスタボ・ペトロ大統領が進めている左翼ゲリラとの和平交渉は順調とは言い難く、左翼ゲリラの交渉離脱派によるテロが続発している。
 ペトロ大統領の支持率が低下し、来年5月に予定される大統領選挙での再選が危ぶまれる中、同国の政治・治安情勢は今後さらに不安定化する可能性が高い。
 直近では、同大統領が就任3周年を迎える8月7日は独立戦争時の革命軍の勝利を祝う「ボヤカ戦勝記念日」や「陸軍の日」などと重なっており、地方を中心に大規模攻撃や武装ストが敢行されるおそれがある。

ブラジル, 犯罪

リオで犯罪組織間抗争が急増、警察の治安作戦も増加

2025年7月28日

 リオデジャネイロでは、今年上半期に殺人、誘拐、強窃盗などが前年同期比で増加した上、各所のファベーラ(スラム)で犯罪組織間の抗争や警察の犯罪組織取締作戦に伴う銃撃戦が頻発している。
 警察の取締作戦の妨害を目的とした路線バス等による道路封鎖も増えているほか、銃撃戦の際に市民が誤射や流れ弾で死傷するケースも跡を絶たず、特にファベーラ付近の主要幹線道路を利用する場合には注意が必要である。

インド, パキスタン, テロ, 国際紛争

印パ紛争激化の要因を生むイスラム過激派

2025年7月9日

 インドでは、隣国パキスタンを本拠とするイスラム過激組織による重大テロが繰り返し敢行されてきた。両国は核兵器保有国であるため、インドの歴代政権はパキスタンへの報復軍事行動を自制してきたが、モディ政権になってからは右傾化が進んで報復を躊躇しなくなり、攻撃の規模も拡大の一途を辿っている。
 とりわけ、両国の境界に近い地域ではミサイル・ドローン攻撃などの巻き添え被害を受ける危険性も高まっていることを踏まえ、緊急時の退避要領を含む危機管理の基本方針や各種安全策を整備するとともに、緊張再燃の可能性を示す各種の事象を見逃さないよう日頃から留意する必要がある。

台湾, 国内対立

立法委員リコールの成否と有事リスクへの影響

2025年7月3日

 台湾の野党・国民党の立法委員(国会議員)24人に対するリコール(解職請求)投票が、来る7月26日(土)に実施されることとなった。
 このリコール運動は、立法院(国会)で多数を占める野党の強引な議会運営への市民の反発に端を発しており、多数のリコールが成立すれば民進党が過半数を回復し、形勢が逆転する。そうなれば、民進党を“独立派”と見なす中国は親中的な国民党の党勢後退を「浸透(台湾への影響拡大)工作の失敗」と受け止め、平和的手段による台湾統一を諦めて実力行使への傾倒を一層強めるおそれがある。

モザンビーク, 犯罪

首都一帯で外国人の身代金誘拐被害が続発

2025年6月25日

 モザンビークでは2011年頃から、首都マプト一帯を中心に南西アジア系の富裕層を対象とした身代金誘拐が続発している。当局の発表によると、同年から今年3月末までの全国誘拐認知件数は200件を超えているが、実際の件数はこれを大きく上回っている可能性が高い。
 マプト市内の外国人が比較的多く住む地域でも被害が発生しているほか、昨年後半頃からはポルトガル人や中国人などの外国人被害も目立ち始めており、注意を要する。

メキシコ, 犯罪

依然楽観を許さないグアナフアト州の治安状況

2025年6月23日

 中部グアナフアト州では、昨年後半に殺人や自動車強盗が増加したものの、最近はピーク時に比べて件数が減少傾向にある。
 しかしながら、依然として麻薬組織間の抗争事件が続発しており、治安当局の取締りを切っ掛けに銃撃戦を伴うカーチェイスや、麻薬組織による道路封鎖も突如発生するなど、市民生活が脅威に晒されている。
 邦人関連でも武装犯によるカージャック被害が再発しており、治安状況は決して楽観できない状況にある。

南アフリカ共和国, 犯罪

依然として深刻な凶悪犯罪発生状況

2025年5月28日

 南アフリカ警察(SAPS)の犯罪統計によると、2024年度には凶悪犯罪の増加傾向に歯止めがかかったものの、発生件数は依然として高止まりしている。
 邦人の強盗被害も続発しており、その多くは旅行者が治安の悪い地域を徒歩移動中に被害に遭ったものである。
 同国では様々な手口による車両に対する強盗も多発しており、昨年には邦人が警察制服姿の犯人達に停車を命令されたり、赤信号での停車中に襲われる被害が発生した。

ブラジル, 犯罪

サンパウロ州都圏で注意を要する犯罪の傾向

2025年5月15日

 サンパウロ州都圏では昨年、故意殺人の発生件数が前年と同数、身代金誘拐や強盗が2年連続減少となった一方で、強盗殺人は増加した。今年第1四半期には強制性交等や、車両盗を除く窃盗が過去最多を記録し、4月には市民の体感治安悪化を示す調査結果も出ており、治安が改善したとは言い難い。
 今年に入ってからも「PIX送金」目的の短期拘束型誘拐・拉致強盗が跡を絶たないほか、サンパウロ市内の富裕層居住地域でも強盗殺人や、強窃盗に伴う銃撃事件が続発している。

インド, パキスタン, 国際紛争, テロ

新たな段階に入った紛争リスク

2025年5月12日

 インドとパキスタンの軍事紛争は、米国の仲介により5月10日に即時停戦が合意され、両国の軍事攻撃は4日間で取り敢えず終息した。
 しかし紛争要因は解消されておらず、パキスタン系イスラム過激派による重大テロなどがまたインドで発生すれば、報復軍事行動も再び発動される。
 その際には今回と同様、軍事施設の周辺地域が攻撃のリスクに晒されるほか、航空路線が一時的に停止するなどの影響が生じる。それが危機管理上容認できない場合は、軍事行動が始まるまでの準備期間のうちに国外退避するしかない。

フィリピン, 国内対立

投開票日に向けて緊張高まる中間選挙

2025年4月22日

 フィリピンの選挙管理委員会によると、1月12日に中間選挙(上下両院選挙および地方選挙)の選挙期間が始まって以降の3か月間に全国で46件の政治的暴力事件が発生し、20人近くが殺害された。
 マルコスJr.大統領とサラ・ドゥテルテ副大統領の対立激化に起因する政治闘争が国内情勢を不安定化させかねない中、SNSなどを通じた世論誘導も盛んに行われているので、5月12日の投開票日に向けて不測の事態を警戒する必要がある。

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