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島の上空からの眺め

Global Risk Reports
国際情勢レポート

ミャンマー, 国内対立

12月末の総選挙に向けて国軍が奪還地域を拡大

2025年9月26日

 ミャンマーの軍事政権は、来る12月末から“民政移管”のための総選挙を順次実施する方針であり、国軍はそれに向けて総選挙を実施可能な地域を拡大すべく、各地で攻勢を強めている。
 シャン州北部では、反軍政勢力が第2の都市マンダレーの近くにまで支配地域を拡大したが、内戦激化を嫌う中国が反軍政勢力に圧力を掛けて要衝から撤退させ、大地震も転機となって国軍は失地を徐々に回復しつつある。総選挙までに奪還可能な地域は限られているが、いずれにせよ民主派を排除した総選挙では国軍系政党の圧勝による事実上の軍政継続が確実であり、有権者は冷め切っている。

ブラジル, 犯罪

サンパウロで続発するアパート強盗の傾向・手口

2025年9月22日

 最大都市サンパウロでは、今年上半期にアパート侵入強窃盗が過去3年間の合計を上回って急増し、7月以降も市南部や西部の富裕層居住地域で武装集団による高級アパートへの押込み強盗事件が続発している。
 最近のケースでは、犯人グループが複製した車両ゲート開閉用のリモコンを使用したり、住人と同じ特徴やナンバープレートの車に乗って現れ、住人と勘違いした守衛にゲートを開けさせて敷地内に侵入する手口が目立つほか、会員制ジムのバレットパーキングで車を預けた際にリモコンを複製されたケースもあった。

フィリピン, 国内対立, テロ

重大局面を迎えるミンダナオ和平

2025年9月17日

 ミンダナオ島南西部で1960年代に分離独立闘争を始めたイスラム武装勢力は、2014年の和平合意で自治権拡大を勝ち取った。今年10月13日には自治政府初の議会選挙で和平プロセスの最終段階に入るが、ここに来て旧反政府イスラム武装勢力内で対立が顕在化し、内部抗争や組織分裂の危険性が急浮上している。
 和平に反発する他のイスラム過激組織も活動する中、これまで順調に進んできたミンダナオ和平は再び危険な局面を迎えつつある。

イラン, 国際紛争, 大衆運動

「12日間戦争」後の国内情勢と今後のリスク

2025年8月28日

 去る6月にイランとイスラエルの間で勃発した「12日間戦争」では、イスラエルはイランの核開発抑止に一定の成果を得たが、イランは多大な打撃を受けながらもイスラム体制、国内の権力基盤、核開発体制などの崩壊を免れた。
 一方で、欧米による制裁などを背景に経済的苦境が続いてきた市民生活は、戦争によるインフラ破壊で電力不足、水不足などが重なり一層悪化している。
 当面は両国間で軍事衝突が再発する可能性は低いと見られるが、イラン国内では困窮する国民の不満を背景に大規模な反政府デモが発生するおそれもある。

コンゴ民主共和国, 国内対立, 国際紛争

和平交渉の裏で拡大する治安リスク

2025年8月25日

 コンゴ民主共和国政府と東部の反政府武装勢力「3月23日運動(M23)」との和平交渉は、米国やカタールの仲介もあって一定の進展を見たものの、支配地域からの撤退や捕虜の扱いなどをめぐる対立が残り、最終合意には至っていない。
 東部では他にも複数の武装勢力が活動し、治安を深刻に悪化させている。
 そうした不安定な状況は首都キンシャサにも影響を及ぼしており、今年1月に発生した暴動や、それに伴う外国人の国外退避といった事態の再発も懸念される。

湾岸諸国, 地域紛争

湾岸諸国の米軍基地が抱える安全保障上のジレンマ

2025年8月4日

 6月23日のイランによるカタールの米軍駐留基地に対する弾道ミサイル攻撃は、湾岸諸国における米軍基地の抱えるリスクと地域防衛の課題を浮き彫りにした。多くの湾岸諸国はパトリオットやTHAADなどの多層防空システムを整備しつつあるが、広域防衛や飽和攻撃への対応には限界もある。湾岸協力会議(GCC)による統合防衛構想も利害の不一致などにより進展が遅れており、米国依存からの脱却、多角的な安全保障戦略の進展など、議論が活発化する可能性がある。

コロンビア, テロ

次期大統領選挙に向けて情勢悪化のおそれ

2025年7月29日

 コロンビアで左派のグスタボ・ペトロ大統領が進めている左翼ゲリラとの和平交渉は順調とは言い難く、左翼ゲリラの交渉離脱派によるテロが続発している。
 ペトロ大統領の支持率が低下し、来年5月に予定される大統領選挙での再選が危ぶまれる中、同国の政治・治安情勢は今後さらに不安定化する可能性が高い。
 直近では、同大統領が就任3周年を迎える8月7日は独立戦争時の革命軍の勝利を祝う「ボヤカ戦勝記念日」や「陸軍の日」などと重なっており、地方を中心に大規模攻撃や武装ストが敢行されるおそれがある。

ブラジル, 犯罪

リオで犯罪組織間抗争が急増、警察の治安作戦も増加

2025年7月28日

 リオデジャネイロでは、今年上半期に殺人、誘拐、強窃盗などが前年同期比で増加した上、各所のファベーラ(スラム)で犯罪組織間の抗争や警察の犯罪組織取締作戦に伴う銃撃戦が頻発している。
 警察の取締作戦の妨害を目的とした路線バス等による道路封鎖も増えているほか、銃撃戦の際に市民が誤射や流れ弾で死傷するケースも跡を絶たず、特にファベーラ付近の主要幹線道路を利用する場合には注意が必要である。

インド, パキスタン, テロ, 国際紛争

印パ紛争激化の要因を生むイスラム過激派

2025年7月9日

 インドでは、隣国パキスタンを本拠とするイスラム過激組織による重大テロが繰り返し敢行されてきた。両国は核兵器保有国であるため、インドの歴代政権はパキスタンへの報復軍事行動を自制してきたが、モディ政権になってからは右傾化が進んで報復を躊躇しなくなり、攻撃の規模も拡大の一途を辿っている。
 とりわけ、両国の境界に近い地域ではミサイル・ドローン攻撃などの巻き添え被害を受ける危険性も高まっていることを踏まえ、緊急時の退避要領を含む危機管理の基本方針や各種安全策を整備するとともに、緊張再燃の可能性を示す各種の事象を見逃さないよう日頃から留意する必要がある。

台湾, 国内対立

立法委員リコールの成否と有事リスクへの影響

2025年7月3日

 台湾の野党・国民党の立法委員(国会議員)24人に対するリコール(解職請求)投票が、来る7月26日(土)に実施されることとなった。
 このリコール運動は、立法院(国会)で多数を占める野党の強引な議会運営への市民の反発に端を発しており、多数のリコールが成立すれば民進党が過半数を回復し、形勢が逆転する。そうなれば、民進党を“独立派”と見なす中国は親中的な国民党の党勢後退を「浸透(台湾への影響拡大)工作の失敗」と受け止め、平和的手段による台湾統一を諦めて実力行使への傾倒を一層強めるおそれがある。

モザンビーク, 犯罪

首都一帯で外国人の身代金誘拐被害が続発

2025年6月25日

 モザンビークでは2011年頃から、首都マプト一帯を中心に南西アジア系の富裕層を対象とした身代金誘拐が続発している。当局の発表によると、同年から今年3月末までの全国誘拐認知件数は200件を超えているが、実際の件数はこれを大きく上回っている可能性が高い。
 マプト市内の外国人が比較的多く住む地域でも被害が発生しているほか、昨年後半頃からはポルトガル人や中国人などの外国人被害も目立ち始めており、注意を要する。

メキシコ, 犯罪

依然楽観を許さないグアナフアト州の治安状況

2025年6月23日

 中部グアナフアト州では、昨年後半に殺人や自動車強盗が増加したものの、最近はピーク時に比べて件数が減少傾向にある。
 しかしながら、依然として麻薬組織間の抗争事件が続発しており、治安当局の取締りを切っ掛けに銃撃戦を伴うカーチェイスや、麻薬組織による道路封鎖も突如発生するなど、市民生活が脅威に晒されている。
 邦人関連でも武装犯によるカージャック被害が再発しており、治安状況は決して楽観できない状況にある。

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