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島の上空からの眺め

Global Risk Reports
国際情勢レポート

スウェーデン, 犯罪

ギャング組織が跳梁する中で犯罪者の低年齢化も進行

2026年7月10日

 スウェーデンでは2010年代後半からのギャング組織間の抗争が続いており、昨年はギャング絡みと見られる爆発事件が過去最多を記録した。ギャング組織は中東・北アフリカなど海外にも拠点を持つ国際犯罪ネットワークに発展しており、未成年者の取り込みを図る中で犯罪者の低年齢化も問題となっている。
 先進国として重視される人権や法の支配を維持しつつ、ギャング組織や未成年犯罪への実効的な治安対策との均衡をいかに図るかが喫緊の政策課題となっており、欧州各国に共通する課題としても注目されている。

中国, 法規制

国家安全関連法制と企業対応

2026年7月7日

 中国は近年、国家安全保障を重視する法制度の整備を強力に推進しており、日中関係の冷却化も相まって、邦人企業を取り巻く法的環境は一層複雑化している。
 今年5月には日本の電機大手現地法人の邦人従業員2人が輸出管理関連法令違反の疑いで拘束され、輸出管理への対応の重要性が改めて浮き彫りになった。
 こうした中で7月1日施行の「民族団結進歩促進法」についても、邦人従業員への影響を懸念する声もあるが、実務上は同法を単体で捉えるよりも、輸出管理、反スパイ法、国家秘密保護法、データ関連法令などの国家安全関連法体系の一部として位置づけ、それら全体を踏まえた総合的な対応を行うことが重要である。

米国, テロ, 犯罪

建国250周年記念イベントをめぐるリスクと対策

2026年6月26日

 米国が来る7月4日に建国250周年を迎えるに当たって、大型祝賀行事「フリーダム250(Freedom 250)」が首都ワシントンD.C.をはじめ全米各地で開催される。
 首都のナショナル・モールでは、全国博覧会「グレート・アメリカン・ステート・フェア」が6月25日~7月10日に開催される。同イベントは建国200周年記念以来、50年ぶりにホワイトハウス周辺で長期間かつ大規模に開催される行事であり、トランプ政権に対する国内外からの反発などを背景に、抗議デモやテロなどの発生が懸念される。

シリア, 国内対立, テロ

北東部再統合の進展と懸念されるISの活性化

2026年6月24日

 シリアでは2024年のアサド政権崩壊後、暫定政府の下で国家再建が進められている。今年に入り、暫定政府軍はクルド人主体の「シリア民主軍(SDF)」が長らく支配してきた北東部を統合するなど、重要な動きを見せた。
 一方、「イスラム国(IS)」関係者の収容施設から多数の被収容者が所在不明となり、管理体制の脆弱さも露呈した。
 国内の少数派や旧政権派との衝突リスクが残るほか、周辺国・関係国の利害も絡み、シリアが統一国家として安定するにはなお多くの課題がある。

インド, 犯罪

先行きの見通しが難しい都市部の治安情勢

2026年6月22日

 インド内務省が最近公開した犯罪統計によると、同国では2024年の犯罪総件数が前年比で6%減少し、中でも傷害事件が30%以上も減少したが、これは治安が改善したというよりも、刑法改正による傷害事件への扱いの変更が影響している。
 首都デリーではひったくりが多発するなど依然として街頭犯罪のリスクが高く、その他の主要都市の治安情勢の推移も一様ではないので、外国企業関係者は事業展開する都市の治安動向を個別に把握して安全策を講じる必要がある。

北欧諸国, バルト三国, 国際紛争

東方からのドローン飛来と電子戦リスク

2026年5月15日

 北欧・バルト地域では昨年以降にドローン(無人機)の飛来事案が増え、空港、軍事施設、発電所、石油関連施設などの被害が相次いでいる。死傷者はないものの、デンマークやスウェーデンでは空港が一時閉鎖に追い込まれ、エストニアとラトビアでは発電所や石油貯蔵タンクに衝突して損傷を与える事案も発生した。
 各国およびNATOは警戒態勢を強化しているが、ウクライナ戦争の長期化に伴う「ハイブリッド戦」や電子戦の影響により、安全保障面だけでなく交通、物流、通信など生活インフラへの影響拡大も懸念されている。

中東地域, 国際紛争

イスラエルによるソマリランド承認と紅海情勢

2026年5月12日

 米国・イスラエルによる対イラン攻撃はホルムズ海峡のみならず、紅海・アデン湾周辺の安全保障環境にも大きな影響を及ぼしている。イスラエルがソマリア北西部の未承認国家ソマリランドを昨年12月に世界で初めて承認したのは、現状を見越した戦略的布石と見てよい。
 ソマリランドはバーブルマンデブ海峡に近く、紅海航路に面する要衝にあり、イランやイエメンの親イラン武装組織「フーシ派」の脅威に対応するための軍事・情報活動、海上監視、後方支援の拠点として国際的関心をさらに集める可能性が高い。

世界共通, 防災

海外事例に見る火災リスクと対策

2026年5月8日

 昨年は香港の高層住宅、ジャカルタのオフィスビル、イラクやメキシコの商業施設などで大規模火災が相次いだ。今年の元日にもスイスの高級リゾートでナイトクラブが炎上し、旅行客ら多数が死傷している。
 都市部の近代的な建物や大手商業施設などであっても、防火設備や避難管理が不十分であれば被害が拡大するので、避難経路、消防設備、電子機器・充電池等の管理を徹底するとともに、家族・会社との連絡体制を定期的に整備・更新することが重要である。

ナイジェリア, テロ

新興勢力の台頭と複雑化する脅威

2026年5月1日

 ナイジェリアの北東部では、イスラム武装勢力「ボコ・ハラム(BH)」やその分派の「イスラム国(IS)」系組織「イスラム国西アフリカ州(ISWAP)」による凶悪なテロが依然として続き、攻撃も高度化している。
 北西部でも、最近台頭してきた新興武装勢力がサヘル地域のイスラム過激派と結びつき、緩やかなネットワークを形成している。テロ活動が広域化・複雑化する中で、アブジャ首都圏など都市部へも波及するリスクが再び高まっている。

インド, テロ, 国際対立

パハルガム銃撃テロ1周年に向けての警戒と葛藤

2026年4月20日

 昨年4月22日にインド北部のジャム・カシミール(JK)連邦直轄領パハルガムで男性観光客ら26人がパキスタン系イスラム過激組織に射殺された事件から間もなく1年が経過する。同事件はパキスタンとの軍事衝突の引き金となり、それから約半年後には首都デリー中心部で車両爆弾テロにより再び多数が死傷した。
 治安当局は今年4月に入ってデリーなど各地で相次いで過激派を摘発してテロ計画を阻止したと発表しているが、その裏には新たなテロへの警戒のほかに、パキスタンへの再度の報復攻撃に踏み切れないことへの葛藤があると見られる。

パキスタン, 犯罪

カラチの治安情勢と今後の悪化要因

2026年4月17日

 最大都市カラチの治安は他の主要都市と比較しても依然として深刻であり、邦人を含む外国人駐在員の住居が多い市南西部の高級エリア内でも押込み強盗などの凶悪犯罪が報告されている。
 パキスタンは米国とイランの停戦協議の場となっているほか、隣国のインドやアフガニスタンとの国境地域は軍事的緊張下にあり、それらの警備に治安機関のリソースが割かれることで一般犯罪対策が手薄になるおそれがある。昨今の経済難を背景とする治安悪化を警戒し、各種防犯策を強化することをお勧めする。

チリ, 犯罪

依然として深刻な首都圏のカージャック発生状況

2026年4月14日

 チリでは昨年、殺人や強盗などの主要犯罪が軒並み減少したものの、依然として首都圏を中心にカージャックが頻発している。
 富裕層が多く住む首都圏東部でも昨年はカージャックが大幅に減少した半面、代表的な邦人居住地域のラス・コンデスとプロビデンシアの両区では増加している。被害者が犯人に抵抗して殺傷されるケースが続発しているほか、身体的危害を加えられなくても事件後にストレスで心身に不調を来すケースが少なくない。

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