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島の上空からの眺め

Global Risk Reports
国際情勢レポート

インド, 犯罪

先行きの見通しが難しい都市部の治安情勢

2026年6月22日

 インド内務省が最近公開した犯罪統計によると、同国では2024年の犯罪総件数が前年比で6%減少し、中でも傷害事件が30%以上も減少したが、これは治安が改善したというよりも、刑法改正による傷害事件への扱いの変更が影響している。
 首都デリーではひったくりが多発するなど依然として街頭犯罪のリスクが高く、その他の主要都市の治安情勢の推移も一様ではないので、外国企業関係者は事業展開する都市の治安動向を個別に把握して安全策を講じる必要がある。

北欧諸国, バルト三国, 国際紛争

東方からのドローン飛来と電子戦リスク

2026年5月15日

 北欧・バルト地域では昨年以降にドローン(無人機)の飛来事案が増え、空港、軍事施設、発電所、石油関連施設などの被害が相次いでいる。死傷者はないものの、デンマークやスウェーデンでは空港が一時閉鎖に追い込まれ、エストニアとラトビアでは発電所や石油貯蔵タンクに衝突して損傷を与える事案も発生した。
 各国およびNATOは警戒態勢を強化しているが、ウクライナ戦争の長期化に伴う「ハイブリッド戦」や電子戦の影響により、安全保障面だけでなく交通、物流、通信など生活インフラへの影響拡大も懸念されている。

中東地域, 国際紛争

イスラエルによるソマリランド承認と紅海情勢

2026年5月12日

 米国・イスラエルによる対イラン攻撃はホルムズ海峡のみならず、紅海・アデン湾周辺の安全保障環境にも大きな影響を及ぼしている。イスラエルがソマリア北西部の未承認国家ソマリランドを昨年12月に世界で初めて承認したのは、現状を見越した戦略的布石と見てよい。
 ソマリランドはバーブルマンデブ海峡に近く、紅海航路に面する要衝にあり、イランやイエメンの親イラン武装組織「フーシ派」の脅威に対応するための軍事・情報活動、海上監視、後方支援の拠点として国際的関心をさらに集める可能性が高い。

世界共通, 防災

海外事例に見る火災リスクと対策

2026年5月8日

 昨年は香港の高層住宅、ジャカルタのオフィスビル、イラクやメキシコの商業施設などで大規模火災が相次いだ。今年の元日にもスイスの高級リゾートでナイトクラブが炎上し、旅行客ら多数が死傷している。
 都市部の近代的な建物や大手商業施設などであっても、防火設備や避難管理が不十分であれば被害が拡大するので、避難経路、消防設備、電子機器・充電池等の管理を徹底するとともに、家族・会社との連絡体制を定期的に整備・更新することが重要である。

ナイジェリア, テロ

新興勢力の台頭と複雑化する脅威

2026年5月1日

 ナイジェリアの北東部では、イスラム武装勢力「ボコ・ハラム(BH)」やその分派の「イスラム国(IS)」系組織「イスラム国西アフリカ州(ISWAP)」による凶悪なテロが依然として続き、攻撃も高度化している。
 北西部でも、最近台頭してきた新興武装勢力がサヘル地域のイスラム過激派と結びつき、緩やかなネットワークを形成している。テロ活動が広域化・複雑化する中で、アブジャ首都圏など都市部へも波及するリスクが再び高まっている。

インド, テロ, 国際対立

パハルガム銃撃テロ1周年に向けての警戒と葛藤

2026年4月20日

 昨年4月22日にインド北部のジャム・カシミール(JK)連邦直轄領パハルガムで男性観光客ら26人がパキスタン系イスラム過激組織に射殺された事件から間もなく1年が経過する。同事件はパキスタンとの軍事衝突の引き金となり、それから約半年後には首都デリー中心部で車両爆弾テロにより再び多数が死傷した。
 治安当局は今年4月に入ってデリーなど各地で相次いで過激派を摘発してテロ計画を阻止したと発表しているが、その裏には新たなテロへの警戒のほかに、パキスタンへの再度の報復攻撃に踏み切れないことへの葛藤があると見られる。

パキスタン, 犯罪

カラチの治安情勢と今後の悪化要因

2026年4月17日

 最大都市カラチの治安は他の主要都市と比較しても依然として深刻であり、邦人を含む外国人駐在員の住居が多い市南西部の高級エリア内でも押込み強盗などの凶悪犯罪が報告されている。
 パキスタンは米国とイランの停戦協議の場となっているほか、隣国のインドやアフガニスタンとの国境地域は軍事的緊張下にあり、それらの警備に治安機関のリソースが割かれることで一般犯罪対策が手薄になるおそれがある。昨今の経済難を背景とする治安悪化を警戒し、各種防犯策を強化することをお勧めする。

チリ, 犯罪

依然として深刻な首都圏のカージャック発生状況

2026年4月14日

 チリでは昨年、殺人や強盗などの主要犯罪が軒並み減少したものの、依然として首都圏を中心にカージャックが頻発している。
 富裕層が多く住む首都圏東部でも昨年はカージャックが大幅に減少した半面、代表的な邦人居住地域のラス・コンデスとプロビデンシアの両区では増加している。被害者が犯人に抵抗して殺傷されるケースが続発しているほか、身体的危害を加えられなくても事件後にストレスで心身に不調を来すケースが少なくない。

世界共通, 犯罪

配車サービス利用のリスクと安全上の留意事項

2026年3月19日

 米国をはじめとする世界各地において、配車サービスの運転手や運転手を装った者による性的暴行や強盗などの各種犯罪が依然として多数報告されており、特に単独利用時の女性の被害が目立つ。
 深夜・早朝の単独利用を避けるほか、乗車前の運転手情報の確認や、走行中も運転経路の情報を家族・知人に共有するなどの安全対策を講じる必要がある。

ベルギー, テロ

連続自爆テロから10年、再び高まるテロの脅威

2026年3月17日

 3月22日にブリュッセル連続自爆テロから10周年を迎えるベルギーでは、昨年のテロおよび過激派関連事案の認知件数は前年比で約26%減少したものの、「イスラム過激派の温床」とされる地域は現在も危険分子を生み続けている。
 政府はテロ対策に向けた警察改革や関連法案の早急な制定を目指しているが、同国の複雑な政治・行政構造などもあって難航している。
 2月末に始まった米国・イスラエルによる対イラン軍事攻撃の影響も拡大する中、ベルギー国内におけるテロ再発の可能性を警戒する必要がある。

中国, 国際対立

全人代で示された安全保障政策と企業リスク

2026年3月17日

 3月12日に閉幕した全国人民代表大会(全人代)で示された中国の安全保障政策は、対象が政治や軍事にとどまらず、経済分野にも及んでいる。
 台湾政策や国防の強化に加え、渉外国家安全メカニズムや技術・データ政策の整備が進められ、「国家安全」の概念が幅広く拡大された。中国で事業展開する企業および関係者は、それらの政策や概念が自身の活動環境にも影響することを認識し、適切に対応する必要がある。

フィリピン, 犯罪

統計に表れない治安リスクの現状と見通し

2026年3月16日

 フィリピン国家警察が最近発表した犯罪統計によると、全国で昨年把握された主要犯罪(殺人、傷害、強窃盗、レイプなど)は前年比で12.4%減少し、今年1、2月には前年同期比でさらに25.5%減少した。
 一方で国民の「体感治安」は依然として悪く、邦人の強盗被害が今年に入っても発生しているほか、中国系犯罪組織による同胞狙いの身代金誘拐も相次いでいる。違法薬物の密輸も急増する中、中東情勢悪化による燃料高騰などを背景とした困窮者の増加なども相まって、犯罪被害のリスクは今後上昇する可能性が高い。

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