top of page
島の上空からの眺め

Global Risk Reports
国際情勢レポート

バングラデシュ, 大衆運動

暴徒化する傾向が強い学生運動

2022年5月25日

 ダッカでは4月、ダッカ大学の学生と大学周辺の商店関係者らの衝突で2人が死亡、40人以上が負傷した。断食明け休暇を前に、学生組織が商店主らに高額なみかじめ料を要求したことが一因とされる。
 同国で長く続いた反政府運動に伴う大規模な混乱は近年発生しておらず、イスラム過激派によるテロ情勢も改善されたが、学生らによる大衆運動は暴力的になる傾向が強く、幹線道路を長時間占拠するなど駐在員等の活動に大きく影響することもある。

ニジェール, テロ

マリからの仏軍移駐に伴い危惧される情勢悪化

2022年5月20日

 ニジェールでは以前からテロや誘拐が多発しており、隣国マリで内戦が勃発してテロ・ゲリラ活動の中心がマリに移ってからも国境を接する西部で国軍襲撃などが続発している。
 フランスのマクロン大統領は今年2月17日、マリの暫定政権との関係が極めて悪化したことなどを理由に、マリ駐留のフランス軍を6か月以内に全面撤退させ、ニジェールに再配置すると発表した。
 イスラム武装勢力は、西アフリカからの西欧(特にフランス)駐留部隊の排除を目標としており、ニジェールに移駐するフランス軍を追ってマリから武装勢力が流入し、武装闘争を一層激化させることが懸念される。

コロンビア, テロ, 犯罪組織

武装組織の脅威が続く中で左派大統領誕生の可能性

2022年5月20日

 コロンビアでは来る5月29日(日)に大統領選挙の第1回投票が予定されており、世論調査では反政府ゲリラ出身で左派のグスタボ・ペトロ氏が首位を走っている。しかし、同氏の経歴や対左翼ゲリラ融和路線への反発が少なくないため、5月初旬には安全上の理由で同氏の選挙活動が一時延期された。
 有権者は経済政策や汚職対策を重視しているが、依然として地方を中心に左翼ゲリラや犯罪組織による治安上の脅威が深刻であり、今後重大事件が続発した場合、国民の投票行動にも影響する可能性がある。

インド, 大衆運動

政争が助長する宗教差別と暴力

2022年5月18日

 4月以降、ヒンズー右派の政権与党「インド人民党(BJP)」の推進する違法構造物撤去措置「反侵食運動」が、首都デリーのイスラム教徒移民居住地を中心に各地で執行されており、それに反対するデリー首都圏与党「庶民党(AAP)」との政治対立や抗議行動が激化している。
 同措置の他にも、政治主導によるイスラム教徒への差別・弾圧が様々な名目で行われる中、宗教対立が激化して暴動やテロなどの重大な暴力を誘引する可能性が危惧される。

エクアドル, 犯罪組織

抗争激化で殺人急増、爆弾テロ続発の太平洋岸地域

2022年5月6日

 エクアドルでは近年、犯罪組織間の抗争や内部抗争が激化しており、とりわけ刑務所内では服役中のメンバー同士の衝突で多数の死者が出ている。
 抗争激化に伴い、メキシコの麻薬組織の手口を模倣して歩道橋から死体が吊るされたほか、司法当局に挑戦するかのような爆弾テロも続発し、市民を震撼させた。これを受けて政府は4月末、太平洋沿岸地域の3県に「例外事態宣言」を発令して取締作戦を強化したが、犯罪組織の勢力バランスが崩れることで却って無法状態が進行しかねず、予断を許さない状況にある。

アルゼンチン, 犯罪

ブエノスアイレスで強窃盗被害が大幅に増加

2022年5月6日

 首都ブエノスアイレスでは、コロナ禍を背景に昨年の強窃盗件数が前年比で大幅に増加した。まだパンデミック前の水準には戻っていないものの、市内の邦人や観光客が訪れる地域でも強盗等が発生している。
 「コヌルバノ」と呼ばれる首都周辺のブエノスアイレス州内の郡部でも、武装強盗などの凶悪犯罪が依然として多発している。

コンゴ民主共和国, 国内対立, テロ

来年の大統領選に向けた動向と危惧されるリスク

2022年4月26日

 フェリックス・チセケディ大統領は、来年12月に実施予定の大統領選挙に向けて強権的支配を強めており、政情不安の可能性が指摘されている。
 対抗馬のジョセフ・カビラ前大統領は、依然として権力機構への影響力を維持しているが、選挙では苦戦が予想されており、結果次第では政権奪還のため強硬策に打って出る可能性も排除できない。
 また、同国東部では隣国の反政府武装勢力がテロ攻勢を激化させており、首都キンシャサにも波及するおそれがある。

タイ, テロ

改善しても楽観視できない最南部情勢

2022年4月25日

 タイ最南部では分離独立主義のマレー系イスラム過激派による武装闘争が続いており、2004年以降の18年間で約7,300人が死亡した。
 昨年の死傷者数はピーク時の約8分の1にまで減少したが、イスラム過激派は分離独立のための武装闘争だけでなく、地域の混乱を目論むかのような事件も引き起こしている。
 そうした事件により最南部4県の殺人発生率は全国平均に比べて大幅に高いので、出張者の派遣等に際しては引き続き慎重な判断が必要である。

トルコ, テロ

新たな掃討作戦開始で都市部でのテロ激化のおそれ

2022年4月22日

 4月20日にトルコ第4の都市ブルサで刑務官のシャトルバスが爆破された事件(8人死傷)は、都市部では5年ぶりのテロであった。
 同国南東部では、クルド人武装組織「クルド労働者党(PKK)」が国軍の掃討作戦への反発などから治安部隊狙いのテロを続発させているが、武装闘争の主戦場である南東部や隣国のイラク北部で劣勢に立たされる中で、都市部でのテロ攻勢を再開した可能性がある。

米国, 犯罪

主要都市で急増するカージャック

2022年4月19日

 米国ではニューヨーク、シカゴ、ワシントンD.C.をはじめとする主要都市を中心にカージャックの件数が急増しており、未成年者による犯行が特に目立っている。3月21日には、ニューオーリンズで被害者の高齢女性がシートベルトが絡まったまま1ブロックほども引きずられて死亡する事件も発生した。
 カージャック犯の逮捕率も低く、その要因として治安当局者が車両追跡システムにリアルタイムでアクセスできない問題などが指摘されている。

世界共通, 犯罪

海外駐在員が警戒すべき特殊詐欺の手口と対策

2022年4月7日

 邦人企業の海外事業拠点を狙った特殊詐欺の事例が、欧米や東南アジアをはじめ世界各地で相次いで報告されている。その代表的手口は、“本社の社長”を名乗る者が“極秘M&A案件の資金”などを名目に多額の送金を指示して詐取するというものである。
 長引くパンデミックの中で人と会う機会が減少して判断力が低下しがちな海外駐在員は、自らが特殊詐欺の標的になっていることを自覚し、リスクを軽視せずに各種の手口と予防策を把握して被害回避に努める必要がある。

香港, 犯罪, 国内統制

治安対策から窺える市民監視強化

2022年4月1日

 香港では昨年、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策に伴う行動制限を反映して強盗やひったくり、スリなどの街頭犯罪、侵入盗が減少し、インターネットを悪用した詐欺や恐喝・脅迫、性犯罪などは急増した。
 香港警察は犯罪統計の公表と同時に、国家安全維持法(国安法)による逮捕者がこれまでに162人に上っていることも明らかにした。警察は今年の重点目標として、市民との連携強化を掲げているが、その背景には国安法の効果的な運用などによる監視強化の意図も垣間見える。

bottom of page