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島の上空からの眺め

Global Risk Reports
国際情勢レポート

イラク, テロ

イラク北部で活発化するトルコ、イランの軍事活動

2022年11月22日

 イラク北部のクルド人自治区では最近、トルコ軍による「クルド労働者党(PKK)」への越境軍事行動が激化している。
 イランも9月末から10月にかけて、イラク北部に拠点を置く「イラン・クルド民主党(KDPI)」をドローン(無人機)やロケット弾で攻撃した。
 イラク連邦政府は議会内の対立が解消していないこともあって、こうした隣国による「国家主権の侵害」を阻止できずにいる。

ギニア, 国内対立

クーデター政権下で高まる不満と治安リスク

2022年11月14日

 西アフリカのギニアでは、昨年9月の軍事クーデターで政権奪取したママディ・ドゥブンヤ暫定大統領が当初の約束に反して民政移管に向けた選挙を大幅に延期し、反対勢力への弾圧を強化している。
 クーデターは当初支持されていたが、選挙の延期や燃料価格の引き上げなどで不満が高まり、今年6月以降は死傷者を伴う反政府デモが続発している。政情不安の中で、イスラム武装勢力によるテロ攻撃も危惧される。

モルドバ, 情勢

ウクライナ戦争による社会不安が増すモルドバ

2022年11月7日

 ロシア軍は、ウクライナ戦争の当初、ウクナイナ南部を掌握し、オデーサからモルドバ国内の親ロシア分離派地域「沿ドニエストル共和国」への「陸の回廊」構想を念頭においていた。
 ウクナイナの反撃により、この構想は実現困難になりつつあるものの、ロシアがその影響力を行使してきた「沿ドニエストル共和国」はロシアの西方戦略上、重要な役割を果たしている。
 ウクナイナ戦争の見通しが厳しい中、ロシアはエネルギー等を武器にしてモルドバに揺さぶりをかけており、エネルギー供給の不安定化と物価の高騰などに起因する社会不安が広がりつつある。

イラン, 大衆運動

依然として続く反政府抗議行動の背景と今後の展開

2022年10月26日

 保守強硬派のライシ政権の下、ヘジャブを適切に着用していないとして当局に拘束された女性が死亡したことを切っ掛けに9月16日に発生した抗議行動が、依然として全国各地で続いている。
 若者主体の抗議行動は、指導者不在や厳しい経済状況などもあって、政権に打撃を与えるまでには至らないとの見方もある。体制側は、分離独立の気運もある少数民族地域の抗議行動に対しては特に厳しい弾圧を行っている。
 現在は大規模な集会や当局との衝突よりも、比較的小規模および個人レベルの抗議行動の方が増えているものの、死亡した女性の服喪期間が終了する10月26日などのタイミングで大規模デモが再燃するおそれもある。

レバノン, 犯罪

経済危機を背景に悪化し続ける治安情勢

2022年10月24日

 レバノンでは、2019年以降の金融危機を背景にここ数か月、預金者が銀行を襲って自身の預金を強奪する事件が相次いだ。4月に合意に達した国際通貨基金(IMF)からの約30億ドルの資金調達は、前提条件が達成できておらずほとんど進展していない。
 5月の議会選挙以降、ミカティ暫定政権下で政治は麻痺状態にあり、経済改革も当分期待できないことから、反政府デモの激化や治安悪化に伴う地域住民の武装化、武力衝突の増加などが危惧される。

カタール, テロ, 犯罪

FIFAワールドカップに向けての各種安全策

2022年10月21日

 カタールで来る11月20日に始まるFIFAワールドカップは、中東では初開催の大規模イベントでもあり、国家の威信をかけて厳重な警備態勢が敷かれるが、人口290万人の小国に海外から約120万人が観戦等に訪れることから、犯罪被害の多発や事故、混乱などが懸念される。
 イスラム教を国教とする同国においては、留意すべき法律や慣例、治安情勢等も踏まえた上で開催期間中の安全対策を講じる必要がある。

インド, 犯罪

さらなる悪化に向かいかねない大都市の治安

2022年10月20日

 パンデミックがもたらした社会的影響を背景として、インドの一般治安情勢は昨年来悪化傾向が続いており、とりわけ2大都市の首都デリーと商都ムンバイでは、今年に入ってからも各種の犯罪が軒並み急増している。
 その要因として未成年者による犯罪の増加が指摘されており、防疫策として学校での授業が長期にわたって禁止されたことが非行を助長している。
 ネックレスやスマートフォンを狙ったひったくりなどの街頭犯罪のほか、住居侵入盗、使用人による犯罪などへの対策も強化する必要がある。

ミャンマー, 国内対立

国軍と反軍政派との戦闘多発地域

2022年10月19日

 ミャンマーではクーデターで実権を掌握した軍事政権に対し、並行政府として設立された「国民統一政府(NUG)」の武装組織「国民防衛隊(PDF)」が、一部地域で少数武装組織(EAO)と共闘するなどして、銃撃・爆弾テロやゲリラ戦を展開している。
 EAO活動地域の中では、特に東部のカヤー州と南東部のカイン州でカレン族系のEAOが国軍との激しい戦闘を繰り返している。
 一方、中部のザガイン管区域やマグウェ管区域では、PDFに業を煮やした治安部隊が住民を激しく弾圧しており、情勢は悪化の一途を辿っている。

ジョージア, 国際紛争

ウクライナ戦争の影響で変化する対ロシア姿勢

2022年10月14日

 ジョージアは、自国内で2008年8月に勃発した南オセチアとアブハジアの独立紛争にロシアが軍事介入して両地域の独立を承認したことに反発し、ロシアと断交して親欧米の姿勢を強め、EU・NATO加盟を目指してきた。
 一方で、経済的にはロシアに依存せざる得ないこともあり、ウクライナ戦争ではロシアを批判しつつも制裁に参加せず、対立悪化を避けている。
 しかし、国内では反ロシア感情が日増しに高まっており、ウクライナの戦況次第ではジョージアの対ロシア姿勢が大きく変化していく可能性がある。

米国, 国内対立

中間選挙に向けて一層深まる分断と暴力のリスク

2022年10月13日

 来る11月8日(火)の米中間選挙に向けて社会の分断が深刻化する中、昨年1月の米議会襲撃事件のような暴力的事態の再発が懸念されている。
 米シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」によれば、2020年と昨年の2年間でデモ現場におけるテロ行為・計画が急増しており、米国土安全保障省は選挙集会などでの暴力行為に対する警戒を高めている。投開票日に向けて、「ローンウルフ」型の銃乱射や支持者間の暴力的衝突などを警戒する必要がある。

スウェーデン, 犯罪

銃器使用の殺人事件が過去最悪ペースで増加

2022年9月29日

 スウェーデンでは近年、移民系ギャング組織絡みの銃撃事件や爆弾事件が急増しており、今年は銃犯罪による死者が9月下旬時点で48人という過去最悪のペースで推移している。被害者はギャング組織メンバーの20代の若者が中心であるが、一般市民の巻添え被害も発生している。
 銃犯罪は、欧州諸国では2000年以降減少傾向にあるが、スウェーデンでは逆に、中東や北アフリカからの難民が増加しはじめた2013年頃から急増しており、この5年で15倍以上になった。
 9月11日の総選挙において治安強化や反移民を訴える極右政党を含む中道右派が勝利したことにより、治安対策の進展が期待される一方で、排外主義が拡大して社会の分断が進むことが危惧される。

ブルキナファソ, テロ

掃討作戦開始で首都でのテロ再発のおそれ

2022年9月22日

 9月5日にブルキナファソの北中部バム県で首都ワガドゥグに向けて走行中の物資輸送等の車列が爆発した事件(35人死亡、37人負傷)は、国軍が護衛する車列を標的とした大規模テロであった。
 同国は、隣国マリの内戦に介入する前までテロとほぼ無縁であったが、2016年頃からイスラム武装勢力によるテロが続発するようになった。
 今年1月に軍事クーデターで政権を奪取した「暫定政府」が6月以降、北部および東部を中心に武装勢力掃討作戦を展開していることもあって、過激派による報復テロが激化しており、首都でもテロ再発のおそれがある。

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