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島の上空からの眺め

Global Risk Reports
国際情勢レポート

香港, 法規制

国家安全条例施行後の状況と対策

2024年4月12日

 香港で3月23日に「維護国家安全条例」が施行されたことにより、中国本土の国家安全関連の各法令が香港においてもほぼ網羅された。
 4月10日には、国安法・国家安全条例を適用されたと見られる外国人記者が香港への入境を拒否されて強制退去処分となった。
 香港は、形骸化したとは言え民主主義や一国二制度の建前を維持しており、今のところ各法令は中国本土ほど厳しく適用されていないものの、「違法状態」を回避するためにも、抵触しかねない文書の所持や言動を厳に避ける必要がある。

ペルー, 犯罪

首都圏やリベルタッド州で身代金誘拐が続発

2024年3月26日

 ペルーでは、2022年に全国の強盗を除く主要罪種がいずれも過去12年間で最多を記録するなど、治安悪化が鮮明となっている。
 そうした中、特にリマ首都圏や北部リベルタッド州では本格的な身代金誘拐が続発しており、人質が殺害されたり、身体の一部を切断されるなどの凶悪な手口も目立つようになった。

セルビア, コソボ, 地域紛争, 大衆運動

コソボ政府のセルビア通貨禁止措置で緊張再燃

2024年3月15日

 コソボ政府が今年2月から導入したセルビア・ディナール使用禁止措置に対し、セルビア系住民やセルビア本国から強い反発の声が上がっている。
 コソボ国内では、特に北部地域において多数派アルバニア系と少数派セルビア系との間で対立や衝突が繰り返されてきたが、特に2022年以降、ナンバープレート問題や地方選挙をめぐり緊張が高まった状態が続いている。
 今回のディナール禁止措置で両国間の対立がさらに強まれば、民族間の武力衝突の再燃や地域紛争に発展しかねず、それに伴って両国内で大規模デモやテロなどが発生するおそれもある。

インド, 大衆運動

市民権改正法の施行で懸念される分断と抗議行動

2024年3月15日

 モディ政権は来る4、5月の総選挙を目前にして、イスラム教徒に差別的で排他的な性質を持つ市民権改正法(CAA)の施行を表明した。
 同法はモディ首相や与党「インド人民党(BJP)」が公約に掲げ、2019年12月に可決・成立されたものの、イスラム学生らの激しい抗議デモやパンデミックに伴う混乱などで運用が見送られていた。モディ政権が2期目終盤になって施行に踏み切る背景には、総選挙に向けた「争点作り」の思惑も見え隠れしており、今回も反対派が首都デリーをはじめ各地で抗議行動を展開する中で、治安当局やヒンズー右派との暴力的衝突の再発が危惧される。

イスラエル, イラン, 地域紛争

ガザ情勢をめぐるイランの抑制的行動の背景と今後

2024年2月26日

 イスラエルは、昨年10月にパレスチナのガザ地区で大規模軍事作戦を開始して以降、レバノンのヒズボラやシリアの親イラン民兵組織など「抵抗の枢軸」勢力、そして同勢力を支援するイランの革命防衛隊をも攻撃している。
 イランは、イスラエルによる一連の攻撃に対して抑制的な対応に終始しているが、その裏にはヒズボラを温存したい思惑や最高指導者ハメネイ師の意向、厳しい国内情勢などといった様々な背景や要因が窺える。
 長引くガザ軍事作戦で中東地域が不安定化する中、イスラエル軍や親イラン民兵組織の動向次第では、イランの思惑に反して偶発的な軍事衝突が発生し、それが大規模な地域紛争に発展する可能性も否定できない。

アルゼンチン, 犯罪

首都周辺部で車両強盗に伴う殺人が続発

2024年2月22日

 首都ブエノスアイレスでは近年、殺人が減少する一方で強窃盗がコロナ禍の収束に伴い急増傾向にある。
 今年1月には、「コヌルバノ」と呼ばれる首都周辺のブエノスアイレス州内の郡部を中心に強盗殺人事件が相次ぎ、その多くで被害者が犯人に抵抗または逃走しようとしたり、不服従と見なされる行動を取って殺害されているので、万一被害に遭っても、決してそのような危険行動をしてはならない。

インド, 国内対立

総選挙に向けて各地で表面化する紛争の火種

2024年2月21日

 「世界最大の民主選挙」とされる今年4、5月のインド総選挙は、ヒンズー右派の与党「インド人民党(BJP)」の圧勝によるモディ首相の3期目続投が既に確定的と見られているものの、各地では各党が激しい戦いを繰り広げており、抗議行動などが暴力的事態に発展する危険性も懸念されている。
 これからの時期は、選挙日程や関連行事予定、身近な地域における対立状況などを把握して各種暴力の巻き添え被害回避に努めることが重要である。

タイ, テロ

最南部の非常事態宣言解除への動きと留意点

2024年2月5日

 タイ最南部における分離独立主義イスラム過激派の暴力事件とそれによる死傷者は、ピーク時の2005年~2007年頃に比べると大幅に減少している。
 また、昨年9月に発足したタクシン元首相派政党を中心とする「大連立政権」は、最南部の分離独立派組織との和平交渉の代表に文民を据え、2027年までに非常事態宣言を解除することも示唆するなど、プラユット前政権よりも柔軟で融和的な姿勢を示している。
 しかし、最南部のイスラム過激派の実態は不明な点が多く、仮に和平が進展したとしても、引き続き十全のテロ対策が必要である。

パキスタン, テロ

総選挙や断食月に向けて高まるテロのリスク

2024年1月25日

 パキスタンでは、2020年頃からテロ事件が再び増加に転じ、民間人のテロ犠牲者が3年連続で200人を超えた。
 2022年11月にイスラム武装勢力「パキスタン・タリバン運動(TTP)」が政府との停戦を破棄して以降、同国北西部や南西部を中心に国軍・警察狙いの重大テロが続発しているほか、最大都市カラチでも治安部隊に対するテロが相次ぎ、第2の都市ラホールではテロリストが頻繁に摘発されている。
 2月8日の総選挙や3月11日頃からのラマダン(断食月)に向けて、これらの武装勢力による大規模テロが都市部でも再発する可能性が懸念される。

ブラジル, 犯罪

リオの犯罪組織の抗争激化と外国人犯罪被害の増加

2024年1月23日

 第2の都市リオデジャネイロ(以下リオ)を擁するリオ州都圏では昨年、強盗殺人、短期拘束型誘拐、強盗などが目立って減少した一方、故意殺人は増加した。同州都圏では近年、市西部を中心に犯罪組織間の抗争が激化し、銃撃による死傷者が続出する中で、昨年12月下旬に州内最大のミリシア(元自警団の犯罪組織)の首領が逮捕されたことに伴い、跡目争いや対立組織との抗争が一層激化するおそれがある。
 コロナ禍から脱したことで、来るカーニバルは多数の外国人観光客が見込まれるが、凶悪犯罪の被害が依然多発していることに留意する必要がある。

台湾, 国際紛争

総統選から新政権発足に向けての動向と中国の干渉

2024年1月19日

 1月13日投開票の台湾総統選挙では与党民進党が勝利したが、立法委員選挙では国民党が大幅に議席数を増やして第1党となった。
 初登院日の2月1日(木)に立法院の正副院長選挙が行われる。キャスティングボートを握る民衆党は交渉に先立って議会改革案を国民党と民進党に提示しており、両党との協議結果次第では民衆党が民進党と組む可能性もある。
 立法院の主導権をどの党が握るにしても、中国が圧力を強めることは必至であり、今後の政治・外交日程に合わせて中国が軍事的恫喝に出る可能性や、中国での拘束リスクの上昇などを警戒する必要がある。

ドイツ, 犯罪

「欧州難民危機」再来で懸念される治安の悪化

2024年1月5日

 ドイツ連邦警察の報告書によると、同国で2022年に検挙された一般犯罪の「移民被疑者」は被疑者全体の7.4%を占め、前年比で11.9%増加した。罪種別では強盗、傷害、窃盗などの増加が目立ち、中でも万引きやスリが急増している。
 被疑者を国籍別に見ると、ウクライナ戦争の影響で同国出身者が増加したものの、相対的には北アフリカや中東出身者の比率が高い。
 欧州では2021年頃からアフリカや中東からの不法移民が増加して2015年の「欧州難民危機」が再来しつつあり、特にドイツでは景気の落ち込みも相まって一層の治安悪化が危惧される。

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