
Global Risk Reports
国際情勢レポート

セルビア, コソボ, 地域紛争, 大衆運動
コソボ政府のセルビア通貨禁止措置で緊張再燃
2024年3月15日
コソボ政府が今年2月から導入したセルビア・ディナール使 用禁止措置に対し、セルビア系住民やセルビア本国から強い反発の声が上がっている。
コソボ国内では、特に北部地域において多数派アルバニア系と少数派セルビア系との間で対立や衝突が繰り返されてきたが、特に2022年以降、ナンバープレート問題や地方選挙をめぐり緊張が高まった状態が続いている。
今回のディナール禁止措置で両国間の対立がさらに強まれば、民族間の武力衝突の再燃や地域紛争に発展しかねず、それに伴って両国内で大規模デモやテロなどが発生するおそれもある。

インド, 大衆運動
市民権改正法の施行で懸念される分断と抗議行動
2024年3月15日
モディ政権は来る4、5月の総選挙を目前にして、イスラム教徒に差別的で排他的な性質を持つ市民権改正法(CAA)の施行を表明した。
同法はモディ首相や与党「インド人民党(BJP)」が公約に掲げ、2019年12月に可決・成立されたものの、イスラム学生らの激しい抗議デモやパンデミックに伴う混乱などで運用が見送られていた。モディ政権が2期目終盤になって施行に踏み切る背景には、総選挙に向けた「争点作り」の思惑も見え隠れしており、今回も反対派が首都デリーをはじめ各地で抗議行動を展開する中で、治安当局やヒンズー右派との暴力的衝突の再発が危惧される。

イスラエル, イラ ン, 地域紛争
ガザ情勢をめぐるイランの抑制的行動の背景と今後
2024年2月26日
イスラエルは、昨年10月にパレスチナのガザ地区で大規模軍事作戦を開始して以降、レバノンのヒズボラやシリアの親イラン民兵組織など「抵抗の枢軸」勢力、そして同勢力を支援するイランの革命防衛隊をも攻撃している。
イランは、イスラエルによる一連の攻撃に対して抑制的な対応に終始しているが、その裏にはヒズボラを温存したい思惑や最高指導者ハメネイ師の意向、厳しい国内情勢などといった様々な背景や要因が窺える。
長引くガザ軍事作戦で中東地域が不安定化する中、イスラエル軍や親イラン民兵組織の動向次第では、イラン の思惑に反して偶発的な軍事衝突が発生し、それが大規模な地域紛争に発展する可能性も否定できない。

パキスタン, テロ
総選挙や断食月に向けて高まるテロのリスク
2024年1月25日
パキスタンでは、2020年頃からテロ事件が再び増加に転じ、民間人のテロ犠牲者が3年連続で200人を超えた。
2022年11月にイスラム武装勢力「パキスタン・タリバン運動(TTP)」が政府との停戦を破棄して以降、同国北西部や南西部を中心に国軍・警察狙いの重大テロが続発しているほか、最大都市カラチでも治安部隊に対するテロが相次 ぎ、第2の都市ラホールではテロリストが頻繁に摘発されている。
2月8日の総選挙や3月11日頃からのラマダン(断食月)に向けて、これらの武装勢力による大規模テロが都市部でも再発する可能性が懸念される。

台湾, 国際紛争
総統選から新政権発足に向けての動向と中国の干渉
2024年1月19日
1月13日投開票の台湾総統選挙では与党民進党が勝利したが、立法委員選挙では国民党が大幅に議席数を増やして第1党となった。
初登院日の2月1日(木)に立法院の正副院長選挙が行われる。キャスティングボートを握る民衆党は交渉に先立って議会改革案を国民党と民進党に提示しており、両党との協議結果次第では民衆党が民進党と組む可能性もある。
立法院の主導権をどの党が握るにしても、中国が圧力を強めることは必至であり、今後の政治・外交日程に合わせて中国が軍事的恫喝に出る可能性や、中国での拘束リスクの上昇などを警戒する必要がある。






